「ECサイトをリニューアルする際の手順は?」
「ECサイトをリニューアルするべきタイミングは?」
ECサイトの運営に携わる方の中には、このようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ECサイトのリニューアルを段取り良く進めるためには、それぞれの手順で抑えるべきポイントをきちんと把握しておくことが重要になってきます。また、ECサイトにはリニューアルすべきタイミングがあり、そのタイミングを知っておくことで、売上アップにつながるサイトリニューアルを実施することができます。
この記事では、
- ECサイトをリニューアルする際の手順
- ECサイトをリニューアルするべきタイミング
について詳しく解説していきます。また、ECサイトのリニューアルで失敗しないために押さえておくべきポイントについても紹介します。この記事が、ECサイトのリニューアルを検討されている方の参考になれば幸いです!
DMMチャットブーストではECサイト改善に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
ECサイトのリニューアルの手順・進め方
ECサイトのリニューアルは以下のような手順で行われます。
- 企画書作り
- プロジェクトチームの立ち上げ
- デザインの検討
- 開発会社のリサーチ・決定
- 要件定義
- 運用準備
この章では、これら6つの手順について解説します。
方向性決め・企画書作り
ECサイトのリニューアルは、企画書の作成から始まります。どのような目的を持ってリニューアルするのか、意図を明確にしましょう。
必ずしも目的を1つに絞る必要はありませんが、漠然と「売上アップのため」や「業務効率の改善」などの抽象的な目的よりも、さらに掘り下げた具体的な目的を定めると良いでしょう。
企画書作りの段階では、
- どのような数値目標を達成したいのか
- 数値目標達成のために何が足りていないのか
- どれだけの費用や時間、人材が必要になるのか
を取りまとめます。
プロジェクトチームの立ち上げ
次に、プロジェクトチームを立ち上げます。このプロジェクトチームは、社内でサイトリニューアルに関わる業務を推進していく役割を果たすことになります。
プロジェクトチームには、
- チームをまとめるリーダー
- 現場の業務に詳しい人
- 決定権を持つ立場の人
の三者が必ず加わらなければなりません。
サイトリニューアルが大規模になるほど、複数業務が並行して進行していくことでしょう。したがって、リーダーの役割は、「サイトリニューアルに関する関係各所への対応を取りまとめ、スケジュール通りに業務を進めていくこと」になります。
ここでの「関係各所」とは、
- 開発会社
- 社内の他部署
などを指します。
また、業務に詳しい人は、現状の運営状況・社内的なルールを把握するために、プロジェクト内に加えなければなりません。業務効率を向上させるためにも、現場の声が必要になります。
最終的に決定を下せる人がいないと、プロジェクト自体が進められません。そのため、決定権を持つ人もプロジェクト内に必要になります。開発会社の選定や予算決めなど、最終的な決定を下すとともに、プロジェクトに関する責任者としての役割を担います。
デザインの検討
リニューアル後のサイトデザインのイメージを、プロジェクトチーム内で明確化していきましょう。デザインの検討は、実際にサイトリニューアルへ動き出す前に行うことが重要になります。この後の開発会社の選定や、要件定義の際の判断の基準となるからです。
このフェーズで作成するのが、開発業者へ提示する提案依頼書(RFP:Reqest For Proposal )です。
RFPは、
- 依頼をする背景
- 現状の課題
- サイトリニューアルに対する要望
をクリアにして、制作会社にクオリティの高い提案をしてもらうために作成します。RFPが具体的であればあるほど、制作会社からの提案の質は高まります。
制作・開発会社のリサーチ・比較・決定
次に行うのが、開発会社のリサーチ・決定です。開発会社をリサーチする際には、それぞれの実績や強みに着目すると良いでしょう。「どのようなサイトリニューアルを得意としているか」が、事業者によってそれぞれ異なるからです。
開発会社をリサーチできたら、実際に問い合わせをします。多くの開発会社がサイトに問い合わせフォームを設けているので、そこから連絡をとりましょう。営業担当者から折り返し電話やメールで連絡がくるのが一般的です。その際にリニューアルの目的を伝え、コンペへの参加を依頼します。
複数社に問い合わせを行い、候補者が出そろったらコンペを開きます。比較検討するためにも、各社には共通した内容で提案依頼をする必要があります。
コンペで着目すべきポイントは、
- 費用
- 実績
- デモ画面
- サイトリニューアルの意図をきちんと捉えられているかどうか
です。
各開発会社の提案を元に、目的に合ったサイトが実現できるかどうか、予算内に収まるかなどを検討し、決定します。コンペを経て正式に契約する開発会社が決定したら、社内での承認を得る段取りを組みます。なぜこの開発会社を選んだのか、根拠を説明できるようにしておきましょう。
要件定義・定義書作成
ECサイトの制作における「要件定義」とは、依頼者側と開発会社との認識をすり合わせることを指します。
要件定義の際、特に重要になるのが、業務フローの確認です。例えば、ECサイトで注文を受けた後、どのような工程を踏んで社内処理を行い、ユーザーへ配送するのかなど、社内で発生する業務を洗い出していきます。
業務フローの再確認によって、業務の効率化が期待できます。社内では気付けなかった課題に、開発会社の視点から気付いてもらえることがあるのです。業務フロー確認時は、上記で説明した「業務に詳しい人」はもちろん、現場の作業をよく知る担当者も含めて打ち合わせを行うと良いでしょう。
そのほか、
- サーバー面
- デザイン面
- 決済方法
- 配送方法
なども合わせて確認していきます。
運用準備
開発会社との打ち合わせを重ね、サイトリニューアルのシステム要件が確定し、開発がスタートします。その間に、サイトの運営側はリニューアルオープンに向けて、以下の準備を進めておきましょう。
- メールフォーマットの作成
- データ移行
- 運用ルールの決定
- リリース後も開発会社と連携がとれるよう、保守の対応
DMMチャットブーストでは👉EC市場に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
ECサイトをリニューアルするべきタイミングは?
ECサイトをリニューアルするタイミングというと、どのような状況を思い浮かべるでしょうか?
- サイトの機能やデザインが時代に合っていない
- 不具合等の問題が生じた
このようなネガティブな状況をイメージする方も多いことでしょう。
しかし、ECサイトをリニューアルする本来の目的は「売上を最大化すること」です。
具体的には、以下のようなケースが生じた時が売上をアップさせるチャンスであり、ECサイトをリニューアルすべきタイミングだと言えます。
- システム自体が古くなった
- 機能面が不足している
- スマホ対応できていない
この章では、上記3つのリニューアルするタイミングについて解説します。
システム自体が古くなった
ECサイトのシステムにも、PCやスマートフォンのアプリケーションのようにバージョンがあり、立ち上げ当初は最新だったシステムも、何年か経つと老朽化します。システムが古くなれば、
- セキュリティが弱くなる
- 最新技術に対応できなくなる
などの問題が生じるでしょう。
また、システム自体が古いと、動作が重たくなり更新に時間を要することもあります。業務効率を下げないためにも、老朽化したシステムは入れ替えましょう。
機能面が不足している
ECサイトの規模が大きくなるのに伴い、
- 現状のシステムでは効果的な施策が打てない
- 利用したい外部システムとの連携ができない
など、システムの機能が不足 することが考えられます。ECサイトの機能を追加するにあたって、場合によっては、新規サイトへの移行が必要となることもあるでしょう。
スマホ対応できていない
昨今、ECサイトを閲覧する多くのユーザーが、PCではなくスマートフォンやタブレットを利用しています。toC向けの商品であるほど、その傾向は強いでしょう。したがって、ECサイトがモバイル対応していない場合は、早急にリニューアルが必要です。
Googleの検索アルゴリズムでも、サイトがモバイル対応しているかどうかが重要視されています。機会損失を限りなく減らすためにも、サイトリニューアルを早期に行うことをおすすめします。
DMMチャットブーストでは👉ファッション業界のEC事情に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
ECサイトのリニューアルにかかる費用
リニューアルにかかる費用は、サイトの構築方法によって変わります。
サイトの主な構築方法は以下の通りです。
- ASP
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
それぞれの構築方法の特徴や費用感をまとめると下記のようになります。
ASP | オープンソース | パッケージ | フルスクラッチ | |
構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル | 無償ソースコードをカスタマイズ | パッケージをもとに独自開発 | ゼロから独自に自社開発 |
初期費用 | 低 | 低 | 中 | 高 |
月額費用 | 低~中 | 低 | 中 | 高 |
構築スピード | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
カスタマイズ性 | △ | 〇 | ◎ | ◎ |
また、リニューアルの場合は新規での立ち上げとは異なり、「データ移行費」も考慮しなければならない点に注意しましょう。
データ移行費とは、既存のECサイトで保持しているデータ(顧客情報など)をリニューアル後のECサイトに移行する際にかかる費用のことを指します。
ECサイトのリニューアル前に知っておきたいデザインのトレンド
ECサイトデザインのトレンドは移り変わりが非常に早いため、常に最新のトレンドをキャッチアップしていくことが重要です。
この章では、以下に示したECサイトデザインの最新トレンド5つについて、解説します。
- ミニマルデザイン
- ハンバーガーメニュー
- 動画コンテンツ
- 無限スクロール
- カルーセル
ミニマルデザイン
ミニマルデザインとは、ECサイトのページを必要最小限の情報で構成したデザインのことです。
ミニマルデザインは、シンプルでオシャレなだけでなく、掲載する情報が最小限に絞られているので、ユーザーに伝えたい内容をダイレクトに届けることができます。
また、写真・動画を強調したり美しく見せたりするのに適しており、ブランディングや高級感の演出と相性が良いというメリットもあります。
ハンバーガーメニュー
ハンバーガーメニューとは、Webサイトに設置されている「≡」3本の縦並び線のアイコンのことです。クリック(タップ)することで収納されているメニューがスライドして表示されます。見た目がハンバーガーに似ていることが、ハンバーガーメニューと呼ばれる理由です。
ハンバーガーメニューは、スペースを取らないため、どのようなWebデザインにも設置しやすいという特徴があります。スマートフォン・タブレット等のスペースが限られたデザインで多く採用されています。
動画コンテンツ
近年、動画コンテンツに対するニーズが高まっています。Webデザインにおいても、トップページのメインビジュアルに動画を使用するのがトレンドとなっています。
動画は静止画と比較して、情報量・情報伝達力が非常に高いという特徴があります。ECサイトでは、メインビジュアルに用いられることはもちろん、商品ページにおいても力を発揮します。商品の使い方や特徴などの紹介には、動画の活用が非常に効果的です。
無限スクロール
無限スクロールとは、コンテンツを下にスクロールする度に、コンテンツが自動的にロードされるページのことです。ユーザーを没頭させ、コンテンツを発見させるのに適しています。Facebook・Twitter・InstagramといったSNSをイメージすると良いでしょう。
ユーザーは、別のページに遷移することなく、多くのコンテンツを読み込めるため、大量の情報をまとめてチェックするようなページに適しています。ECサイトにおいては、商品を一覧で見せたい場合などに活用できるでしょう。
カルーセル
カルーセルとは、複数の画像・コンテンツをスライド表示で見せることができるWebデザイン手法です。ユーザーはページスクロールを行わずに、複数の情報を確認できます。
ユーザーは、複数の情報を手間なく、最速で目にすることができます。訴求力が高く、ECサイトのトップページで、ブランディングを目的として利用されることが多い手法です。
ECサイトのリニューアルで失敗しないためのポイント
ECサイトのリニューアルには、多額の費用がかかります。売上アップのための投資とも捉えることができるため、「サイトリニューアルに費やした費用以上の効果を得たい!」と思う方も多いことでしょう。
この章では、ECサイトのリニューアルで失敗しないためのポイント以下9つについて、解説します。
- 目的を明確化する
- 現状の課題を洗い出す
- 失敗事例も見ておく
- 現場スタッフの意見も取り入れる
- 内製化をしておく
- 引き継ぎの確認
- スケジュールの管理
- UI・UXを意識する
- コンテンツマーケティングを意識する
ECサイトのリニューアルのポイント1|目的を明確化する
ECサイトをリニューアルしてどのような課題を解決したいのか、どういった成果が見込まれるのか、目標を明確にしておきましょう。
リニューアルの際、何を優先すべきかはっきりさせることが重要です。
このとき定める目標は、数値化できる具体的な目標を設定するのが良いでしょう。例えば、
- Web接客システムを導入し、CVRを3%アップさせる
- カゴ落ち率を15%ダウンさせる
など数字を伴うKPIを設定します。
ECサイトのリニューアルのポイント2|現状の課題を洗い出す
現状のサイトの課題や問題点を分析して、リストアップしてみましょう。
ECサイトの売上の基本方程式は、PV×CVR×客単価で求められます。各数字を分解していくことによって、どの段階でつまづいているのかが明確になります。サイト自体のPV数は一定数稼げているのに、CVRが悪いのであれば、購入までの導線に難点があると考えられます。
反対に、客単価やCVRは一定の数字を保っているのに、売上がいまいち伸びてこないのであれば、集客のためのプロモーションに問題があるということです。
上記の作業は、1つ目にあげた明確な目標設定の深堀となる作業です。効率的なリニューアルを行うため、現状と目標の乖離を具体的に把握しましょう。
ECサイトのリニューアルのポイント3|失敗事例も見ておく
ECサイトのリニューアルに関する成功事例を調べる方は多いでしょう。成功事例を調べるのと同様に、失敗事例についても調べておくことが大切です。
失敗には必ず原因が存在します。つまずきやすいポイントを把握しておくことで、自社サイトのリニューアルの際に回避できるリスクもあります。
ECサイトのリニューアルのポイント4|現場スタッフの意見も取り入れる
企画設計の段階のフェーズでは、経営層や予算設計に関わる管理職だけでなく、必ず現場スタッフにもプロジェクトに参画してもらいましょう。実際に手を動かしてサイトを運営し、日々数字を分析している現場担当者ならではの意見が得られるに違いありません。
また、社内で顧客対応の部署が独立している場合は、ぜひヒアリングを行ってください。問い合わせ窓口にこそ、ユーザーの生の声が集まるからです。ユーザー視点からのサイトの課題点が見つかるでしょう。
ECサイトのリニューアルのポイント5|内製化をしておく
ECサイトの業務は、事業規模が大きいほど自社で内製化できたほうが良いでしょう。事業規模が小さく、社内にも人材が不足している場合、外部へ委託したほうが効率的に感じるかもしれません。ECサイトが小規模であれば、外部委託費用もそこまで大きくはならないでしょう。
しかし、売上を伸ばしていくにあたって、スピーディにPDCAを回したいと思っても、途中業務が外部委託されていると、うまくそのサイクルが回っていかないのです。
ECサイトを長期に渡って運営していくのであれば、事業の発展に伴って、ECサイト運用に長けた人材を育成・採用していくのがおすすめです。
ECサイトのリニューアルのポイント6|引き継ぎの確認
現状、外部の基幹システムなどとECサイトを連携させている場合、リニューアル後もスムーズに引き継げるかどうか、事前に確認しておきましょう。
ECサイトのリニューアルのポイント7|スケジュールの管理
ECサイトのリニューアルオープン日をまず定め、そこから逆算してスケジュールを設計します。リニューアルオープン日が決まれば、
- オープン前のテスト、トレーニングの期間
- 要件定義にかけられる時間
- 開発会社の選定の締め切り日
などを設定できます。
他部署や外部を巻き込んだ大がかりなリニューアルほど、スケジュールに余裕を持って進めていくと良いでしょう。
ECサイトのリニューアルのポイント8|UI・UXを意識する
- UIはUser Interface
- UXはUser Experience
の略です。
それぞれ、ユーザーが実際にサイトを利用した際の、
- 入力操作や表示について
- サービスなどによって得られる体験
のことを指します。
より噛み砕いた言い方をすれば、「ユーザーにとって使いやすく、満足できるサイトにしましょう」ということです。
近年、特に「UX=顧客体験を意識したサイト作り」が重要視されています。ユーザーにとってより良いサイトこそ、売上が上がるECサイトである、と考えられているのです。
トレンドを取り入れつつ、メインターゲット層が利用しやすいECサイト作りを心がけましょう。
ECサイトのリニューアルのポイント9|コンテンツマーケティングを意識する
「コンテンツマーケティングで売上を伸ばす」という考え方も近年のトレンドの1つと言えるでしょう。商品やサービスを販売するだけではなく、オウンドメディアでユーザーにとって役立つ情報を提供するサイトがここ数年で増えてきました。
SEO評価が上がれば新規集客にもつながります。良質なコンテンツは顧客満足度をあげ、リピート率やCVRにも効果的です。リニューアルの際にはぜひ取り入れたい施策です。
ECサイトが完成した後にするべきこと
この記事ではECサイトのリニューアルについて説明してきました。
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