「Shopify POSの使い方・設定方法がわからない」
「ShopifyをはじめとしたECストアと、実店舗のPOSを連携させたい」
とお悩みではありませんか?
Shopifyが提供している「Shopify POS」を利用することで、低コストで手軽に実店舗とECストアを連携させたPOSシステムを導入できます。また、プランによっては無料で利用できるものもあるため、まずはお試ししてみるのも良いでしょう。
ここでは、Shopify POS導入のプランやメリット、設定方法、注意点について詳しく解説します。
DMMチャットブーストではShopifyの顧客管理に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
Shopify POSとは?
Shopify POSとは具体的にどのようなシステムなのでしょうか。ここではShopify POSの概要について説明します。
低コストで導入できるPOSシステム
Shopify POSは、その名の通りShopifyストアで利用することができるPOSシステムです。POS(point of sales)は売上データを集計・分析するシステムで、オンライン・オフラインに関わらず小売店舗には欠かせないものです。
しかし、POSシステム導入のために必要な初期投資としてPOSレジが一台20~50万円掛かり、さらに継続的にレジの月額利用料が数千~数万円掛かるため、中小の店舗にとってコストの高さが導入への障壁になっています。また、POSシステムによっては処理や操作が複雑なこともあります。
Shopify POSは、Shopifyで構築されたストアであれば専用アプリを端末にインストールし、Shopifyの管理画面から設定を行うだけで利用可能です。また、Shopifyストアと実店舗の連携も、専用アプリ上の簡単な操作で行うことができます。
手持ちのiPadやandroid対応端末をPOS端末として利用できるので、低コストで簡単に導入可能なPOSシステムになっています。
機能によって異なる2種類のプラン
Shopify POSには二つのプランが用意されています。
プランごとの機能について紹介します。
Shopify POS Lite
「Shopify POS Lite」は、プランに関係なくすべてのShopifyストアで利用できます。実店舗の決済やデータ分析などの一般的なPOSの機能を利用できますが、一番の特徴はShopifyストアの商品を実店舗でもそのまま販売できる連携機能といえます。
実店舗でShopify POSを利用して販売データを登録すると自動的にShopifyストアの在庫と同期されるため、オンラインとオフラインでバラバラに在庫を管理する手間を省けます。「オンラインで注文を受けた商品が実店舗で売れてしまったため発送できない」といったミスを防ぐことが可能です。
Shopify POS Liteで利用できる主な機能は以下の通りです。
・実店舗での決済(現金、※クレジットは外部サービス必要)
・オンラインストアと実店舗の連携
・データ分析
・複数ロケーションにおける在庫・注文・顧客の管理
・紙・メール・SMSによるレシート発行
・外部のレジ、スキャナーとの連携
Shopify POS Pro
「Shopify POS Pro」は、Shopify POS Liteの高性能版になります。
Shopify POS Liteの全機能にプラスして、オムニチャネル販売を行う場合に便利な機能が利用できるようになります。
例えば、オンラインで購入した商品を実店舗で返品したり、実店舗でオンラインストアの商品を購入して決済を行うなど、一般的なPOSシステムには無い機能が盛りだくさんです。また、スタッフ数が無制限になったり、スタッフごとに権限を与えることができるようになります。
Shopify POS Proだけで利用できる、主な機能は以下の通りです。
・ストアスタッフの数が無制限
・スタッフごとに売上を管理
・スタッフに権限を付与
・オムニチャネル販売に対応
・実店舗のデータ分析
・商品の返品・交換
・実店舗から購入者の自宅への商品発送
周辺機器と連携可能
Shopify POSに対応したキャッシュドロワーとレシートプリンターを用意することで、連携が可能になります。
カナダやアメリカではShopifyが周辺機器を販売する公式ストアもありますが、
日本では2022年1月現在そのような公式ストアはありません。
対応している機器は、スター精密社の以下の製品になります。
- スター精密製POSステーション mPOP
- スター精密製3インチレシートプリンター
連携することで、Shopify POS上で現金決済が行われるとキャッシュドロワーが開き、
決済完了画面で印刷を押してレシートを印刷できるようになります。
DMMチャットブーストでは👉shopifyの構築に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
Shopify POSのメリット5つ
Shopify POSを利用することで得られる具体的なメリットを5つ紹介します。
オンラインと店舗のあらゆる情報を一括管理できる
先述の通り、Shopify POSはオンライン上のShopifyストアと実店舗の連携が可能です。Shopifyストアと実店舗で取り扱っている商品・在庫情報を一括管理することができます。販売・在庫情報以外にも、顧客情報も連携できるため、たとえば、実店舗で商品を購入した客に対してShopifyストアのセール情報をメールで送信することもできます。
また、Shopifyが提供している在庫アラートのアプリを利用することで、在庫の数が少なくなってきた時にアラートを受け取ることができます。Shopify POSと組み合わせることにより、実店舗でもShopifyストアと同様に在庫切れを起こす前にアラートを受け取れるので、販売機会の損失を防ぐことが可能です。
データの分析結果がひと目でわかる
Shopify POSでは、アプリ上で売上高や平均注文単価、平均商品購入数、売上ランキング上位の商品などデータの分析結果をを視覚的に見ることができます。
一日や一週間、直近の半年など期間を区切ってデータを見ることができるので、販売戦略も立てやすくなります。
また、複数のロケーション(店舗)でShopify POSを導入・運用している場合、店舗ごとのデータもまとめて見ることができます。
簡単に分析データを閲覧できることで、店舗別の施策立案や、店舗別の販売傾向分析など、拡大への大きな手助けになるでしょう。
ポップアップストアなどへの出店にも使える
Shopify POSは専用のレジではなく、iPadやandroid端末などの普段利用している端末に専用アプリをインストールして使用します。
そのため、端末がインターネットに繋がる通信環境さえあれば、店舗の外でもどこにでもPOSシステムを持ち出すことが可能です。
店舗の外に持ち出すことで可能になるのが、ポップアップストアなどへ期間限定で出店する際のPOS使用です。ポップアップストアでも販売情報を手で計算せずに、実店舗の情報と共に一元管理することができます。
もちろん、店舗やShopifyストアとの在庫情報の連携も行うことができます。
バーコードで商品情報を入力できる
Shopify POSでは、Shopify POSアプリをインストールしているスマートフォンやタブレットのカメラを用いてバーコードを読み取ることができます。商品に付いているバーコード(JANコード)を登録しておくことで、レジでバーコードを読み込んで商品の内容や金額の情報を入力することが可能です。
メールやSMSでレシートを発行できる
周辺機器を連携させることで紙のレシートを発行することができますが、レシートプリンターが無い場合でも電子レシートを発行することができます。決済完了画面で「レシートを印刷」の代わりに「メールのレシート」または「テキストのレシート」を選ぶことで、レシートをメールやSMSを使って購入者へ送信することが可能です。
Shopify POSの使用料金
Shopify POSの2種類のプランは機能以外にも使用料金が異なります。
それぞれの料金を紹介します。
Shopify POS Lite
料金:すべてのShopifyストアで無料
Shopify POS Liteは、すべてのShopifyストアで追加料金なしで無料で利用することができます。
ベーシックプランやスタンダードプランなどの契約しているプランによる違いはありません。
Shopify POS Pro
料金:1ロケーションあたり月額89米ドル
Shopify POS ProはShopify POS Liteの上位版のため、利用料金は1ロケーションあたり月額89米ドルです。
あくまでも導入するロケーションごとに料金が発生するため、導入したい店舗の数が多いほどコストは高くなります。
しかし、店舗によってShopify POS Liteを利用するかShopify POS Proを利用するかを選ぶことができます。
メインの店舗だけShopify POS Proを利用し、他の店舗はShopify POS Liteを利用するなど使い分けが可能です。
Shopify POSの設定方法
ここでは、実際にShopify POSの設定方法を説明します。
所在地や税率などのストアに関する基本設定は行っている前提で、Shopify POSを使用できるようになるまでの手順を説明します。
1:端末にアプリをインストール
実店舗でPOSとして使用したい端末に、Shopify POSアプリをインストールします。使用する端末は、次の要件のどちらかを満たす必要があります(2022年1月時点)。
- iOS12.2以降を搭載しているiPadやiPhone
- Androidバージョン7.0以上を搭載しているAndroidデバイス
iOSの場合はApple App storeから、Androidの場合はGoogle Playストアからダウンロードおよびインストールを行ってください。
以下のリンク、もしくは「Shopify POS」と検索することでもアプリ画面に遷移することができます。
App store:https://apps.apple.com/jp/app/shopify-point-of-sale-pos/id686830644
Google Play:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.shopify.pos&hl=ja
インストールが終わったら、アプリを立ち上げます。
ストアオーナーのアカウントでShopifyストアにログインすると4桁のPIN番号の作成が求められるので、作成後は入力した番号を忘れないようにしましょう。
2:管理画面から販売チャネルに「Shopify POS」を追加
今度は、Shopifyの管理画面からShopify POSの設定を行います。
管理画面左にあるメニューから「販売チャネル」横にある「+」を選択して、販売チャネルの追加を行います。
引用:Shopify管理画面
表示されている各チャネルの中から「Shopify POS」横にある「+」を選択します。
これで、販売チャネルとしてShopify POSが追加され、Shopifyストアで「Shopify POS」が使用できるようになりました。
3:商品の販売チャネルに「Point os Saleで利用可能」を追加
今度は、ストアで販売する商品をShopify POSで販売を可能にする設定を行います。新しく商品を追加する際、商品画面の右にある「販売チャネルとアプリ」内で「Point of Sale」にチェックを入れます。これでShopify POSで商品を扱うことができるようになります。
引用:Shopify管理画面
すでに商品を登録している場合、商品管理から一括で設定も可能です。
商品を一括で選べるチェックボックスにチェックを入れた状態で、「その他の操作」から「利用可能なチャネルを追加する」を選びます。
引用:Shopify管理画面
表示されたダイアログ内で「Point of Sale」にチェックを入れ、「商品を公開する」を選択してください。 引用:Shopify管理画面
4:Shopify POSアプリでカスタム決済を設定
初期設定のままでは、Shopify POSアプリは現金決済(キャッシュ決済)しか受付できません。
クレジットカード決済やキャッシュレス決済を行いたい場合は、以下の手順でカスタム決済の設定を行う必要があります。
1.Shopify POSアプリのホーム画面から「≡」を選択し、「設定」内の「決済設定」を選ぶ
2.「カスタム決済タイプ」内の「カスタム決済タイプを追加する」を選ぶ
3.ボックスに決済タイプの名称(「クレジットカード決済」など)を入力し、「保存」 を選ぶ
4.カスタム決済タイプを有効にする
カスタム決済を設定することにより、管理画面の売上に設定した名称が表記されるようになります。
5:連携する周辺機器を設定
キャッシュドロワーやレシートプリンターと連携する場合、この段階で設定を行います。設定の手順は以下の通りです。
1.Shopify POSアプリをインストールしている端末とキャッシュドロワー(mPOP)をBluetoothで接続する
2.App StoreもしくはGoogle Playストアから「mPOP Utility」アプリをダウンロードおよびインストールする
3.mPOP Utilityアプリから、Shopify POSアプリをインストールしている端末とmPOPを接続する
4.Shopify POSアプリ右下に「接続済」と表示されていることを確認する
6:テスト購入を行う
最後に、Shopify POSで実際にテスト購入を行い、問題がないか確認を行いましょう。
特に、Shopify POSでキャッシュレス決済を行う手順は覚えておく必要があります。キャッシュレス決済の手順は以下の通りです。
1.Shopify POSアプリで、販売する商品を選択する
2.合計金額を確認し、外部端末で決済を行う
3.Shopify POSアプリで、4で設定したカスタム決済を選び、決済を行う
Shopify POSの注意点2つ
導入が簡単で手軽に利用できるShopify POSですが、利用を開始する前に覚えておきたい注意点があります。
利用にはShopifyストアの契約が必要
Shopify POSはあくまでもShopifyで構築されたストアに向けたサービスです。そのため、利用には有料のShopifyプランへの契約が必要になります。
Shopifyの基本プランは以下のコースに分かれています。
月額固定費 | 主な機能 | |
ベーシックプラン | 29米ドル(約3,200円) | Shopifyストアの基本機能 |
スタンダードプラン | 79米ドル(約8,700円) | ベーシックプランにプラスして、アカウント数・ロケーション数の追加、海外ドメインの使用など |
プレミアムプラン | 299米ドル(約33,000円) | スタンダードプランにプラスして、アカウント数・ロケーション数の追加、カスタムレポートの閲覧など |
Shopify Lite | 9米ドル(約990円) | カート機能のみ |
Shopify PLUS | 2000米ドル(約22万円) | 大企業や大量取引、卸売販売業者向け |
もしShopifyでストアを構築せずに実店舗でShopify POSだけを利用したい場合、Shopify Liteへの加入がおすすめです。Shopify Liteはストアの構築ではなく、カート機能だけを利用できる安価なプランです。
使用していく中でアップグレードも可能ですので、まず利用してみたいという場合は、Shopify Liteに加入をしましょう。
キャッシュレス対応の決済サービスと併用が必要
Shopify POSにはクレジットカード決済機能が付いていません。そのためクレジットカード決済を利用したい場合、別途クレジットカード決済が行える端末を用意したうえで決済サービスとの契約が必要になります。PayPayなどのバーコード決済も同様です。
ただ、外部端末および決済サービスを自分で用意するということは、ストアに合わせた決済サービスを自由に選ぶことができるともいえます。メリットと捉えて上手にShopif POSを活用しましょう。
Shopify POSを利用してストアの機能を使いこなそう
Shopify POSは、低コストで導入できるうえにオンラインと実店舗の連携に長けている便利なPOSシステムです。Shopifyストアと実店舗のどちらも運営しているのであれば、メリットが多いShopify POSを利用してストアの機能を使いこなしましょう。
マーケティングツールとして注目度の高いLINE公式アカウントと、Shopifyストアを連携して使用したいならDMMチャットブーストがおすすめです。
DMMチャットブーストはShopifyストアの顧客データとLINE公式アカウントの友だち情報を連携させることができます。また、LINE上でShopifyストアの商品を購入することも可能です。
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