LINEマーケティングの特徴と戦略と活用事例

LINEマーケティングとは?特徴・戦略・活用事例を徹底解説

LINEマーケティングとは、LINE上で実施する広告運用や顧客対応などのマーケティングです。膨大な数のアクティブユーザーが存在するLINEは、多くの企業にとって重要なマーケティングの場になっています。

そこで、この記事ではLINEマーケティングの特徴や活用できる機能、マーケティングを成功させるポイント、活用事例などを解説します。効果的なマーケティングのために役立ててください。

DMMチャットブーストではLINE公式アカウントに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

DMMチャットブーストforEC

LINEマーケティングとは何か

LINEマーケティングとは、LINEを活用したマーケティングの通称です。具体的には、以下のようなマーケティングを実施できます。

  • トーク機能を活用した見込み客とのコミュニケーション
  • LINEユーザーや友だちに対する広告配信
  • チラシ機能やクーポン配布などを使った店頭集客やキャンペーン参加促進

    既にLINEは日本で生活インフラと言えるアプリに成長しており、世代や年齢を問わず膨大なユーザーが利用しています。そのため、一般消費者向けに商品・サービスを提供している多くの企業に取って、LINEマーケティングは必須の方法です。

    LINEマーケティングの5つの特徴

    LINEマーケティングを実施するには、プラットフォームとしてのLINEの特徴や機能を理解することが重要です。ユーザー数やマーケティングの機能などについて、5つの特徴を解説します。

    膨大なユーザー数

    ※1 LINEの国内月間アクティブユーザー8,800万人÷日本の総人口1億2631万人(平成31年2月1日現在(確定値) 総務省統計局)

    LINEの「2021年7-12月期 媒体資料」によると、国内のMAU(月あたりのアクティブユーザー数)は8,900万人でした。つまり、日本国民の約70%以上が、LINEを日常的に利用していることになります。

    これらの数値を見ると、LINEは大手の新聞や雑誌、テレビCMなどと同等かそれ以上のプラットフォームとして活用できることがわかります。実際、幅広い顧客層にアプローチできることから、規模や業種を問わず多くの企業が、LINE上でのホームページにあたるLINE公式アカウントを開設しています。

    接点確保のハードルが低い

    LINEでは見込み客との接点を確保しやすい特徴があります。その理由は、企業サイトの会員登録のように個人情報を入力する必要がないからです。例えば、LINE公式アカウントの登録は「友だち追加」をタップするだけです。他の多くのマーケティング機能もLINE上で全て完結できるように設計されています。

    実際、多くのユーザーは「お得なキャンペーン情報を知りたいから」「クーポン券をもらいたいから」などの理由で、気軽に企業と接点を持ってくれます。また、発売時期や商品の仕様などについての情報収集にもLINEが活用されています。少ない労力で接点を確保しやすいのは、LINEマーケティングの重要な特徴です。

    新規顧客獲得や販促など幅広く活用できる

    LINEは自社商品の認知度向上やブランディング、既存顧客に対する販促、カスタマーサポートなど幅広い用途に活用できます。詳しくは後ほど解説しますが、LINEマーケティングは大きく分けると、以下の3つのマーケティング機能が実装されています。

    • 企業と顧客の距離を縮めるためのコミュニケーション機能
    • ターゲットを絞り込んでLINE上に広告配信できる機能
    • キャンペーン参加・チラシ・クーポン配布などの販促・OMO機能

    企業はマーケティングの目的や顧客の状態に合わせて、さまざまな機能を活用できます。

    開発費用を抑えられる

    LINEが提供するビジネス向け機能を使うことで、同じような機能を自社で用意するより開発費用を抑えられます。例えば、顧客数が限られる小規模事業者のショップなら、LINE公式アカウントのフリープランを利用することで、月1,000通までのメッセージを友だちのユーザーに送信可能です。

    また、LINEはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)と呼ばれる外部システムとの連携用プログラムを公開しています。例えば、Shopifyを利用してECショップを経営している場合、その顧客情報とLINEを紐付けて顧客管理を一元化できます。

    外部システムと連携する場合は、LINEが「Planning Partner」として認めた企業の拡張ツールを用いることで開発費用を抑えられます。Planning Partnerとは、サービス運用や企画についてLINEと提携を結んでいる企業であり、信頼性の高い機能拡張が可能です。

    メッセージング効果が高い

    LINEから届くメッセージは、電子メールよりも読んでもらえる可能性が高いことがわかっています。LINEを含むSNSのメッセージは、携帯電話へのプッシュ通知に次いで通知したタイミングで閲覧してもらえる確率が高いことが知られています。

    加えて、LINE公式アカウントに友だち追加しているユーザーは、キャンペーン情報の収集やクーポン券の配布などを目的にしている割合が高いことが特徴です。したがって、メッセージの閲覧率は高いうえ、コンバージョン率(購入や申し込みにつながる率)が高い傾向にあります。

    LINEユーザーの3つの特徴

    LINEマーケティングでは、通常のマーケティングと同じように、ターゲット層の絞り込みが重要です。ここでは、LINEユーザーにどのような特徴があるのか解説します。

    全世代が全国的に利用している

    LINEではユーザー層に特定の偏りが少ないことが特徴です。LINEが公式に発表しているユーザーのデータを以下に示します。

    全体に占める割合
    性別 女性:55.6%
    男性:44.4%
    年代 15~19歳:7.1%
    20~24歳:6.7%
    25~29歳:7.2%
    30~34歳:8.4%
    35~39歳:9.5%
    40~44歳:10.4%
    45~49歳:8.7%
    50~54歳:7.5%
    55~59歳:7.5%
    60~64歳:11.9%
    65歳~    :15.0%
    職業 会社員:46.2%
    主婦・パート・アルバイト:34.2%
    学生:8.6%
    その他:11.0%
    居住地 北海道:4.1%
    東北:5.1%
    関東:34.7%
    中部:18.1%
    近畿:19.5%
    中国:6.2%
    四国:2.7%
    九州・沖縄:9.7%

    ※出典:2021年7-12月期 媒体資料|LINE for Business

    このように、男女比もほぼ均等で、10代や60代以上のユーザー数が多くいます。また、居住地も人口比率に近く、ほぼ均等に分布していることがわかります。

    職業は会社員が多いものの、LINEをメッセージアプリ以外のビジネス用ツールとして利用している人は多くありません。したがって、現状ではBtoBでのLINEマーケティングは少なく、BtoCが一般的です。

    アクティブユーザーが多い

    LINEの2021年7-12月期 媒体資料によると、LINEを毎日利用すると答えた人の割合は全世代で60%以上です。

    ※出典:2021年7-12月期 媒体資料|LINE for Business

    年齢が下がるほど毎日LINEを利用すると答える割合が多くなります。また、男性より女性のほうが、約7~10%ほどアクティブユーザーが多いことが特徴です。いずれにしても、広告や販促に反応しやすいアクティブユーザーの数が、非常に多いことがわかります。

    例えば、季節物の商品を扱っているECショップや、他社のキャンペーンやイベント前に情報を配信したい企業では、LINEマーケティングを有効活用できるでしょう。

    スマホユーザーが多い

    若年層ではスマホのみで情報収集する人が増えています。パソコンを所有していても、プライベートの時間はスマホしか使わないことも少なくありません。そのため、若年層が顧客の企業にとって、LINEマーケティングは必須の方法になります。

    年齢層が高い場合は、パソコン版のWebサイトでもアプローチは可能です。しかし、LINE公式アカウントで接点を増やすことで、マーケティングの成果を出しやすくなります。

    見込み客と交流するためのLINEマーケティング施策

    LINEマーケティングが新聞広告やCMなどと異なることは、双方向のコミュニケーションを実現できることです。ここでは、見込み客と交流するための機能を3つ紹介します。

    LINE公式アカウント

    引用:linebiz.com

    LINE公式アカウントとは、企業や有名人がLINEユーザーと接点を持つためのサービスです。LINEユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加すれば、以下のようなアプローチが可能になります。

    • ユーザーへのメッセージ配信、タイムラインへの投稿
    • LINEトークやLINEコールによる直接的なコミュニケーション
    • ポイントカードの管理、クーポン券の配布
    • LINE公式アカウントにリッチメニューを追加(Webページ遷移や予約機能など)
    • 友だち追加数や応答数などをレポートで確認

      LINE公式アカウントの料金プランは以下の3つです。

      フリープラン ライトプラン スタンダードプラン
      月額固定費(税込) 0円 5,500円 16,500円
      無料メッセージ通数 1000通/月 5,000通/月 45,000通/月
      追加メッセージ料金 追加不可 5,5円/通 ~3.3円/通

      料金プランによる機能の制限はありませんが、上記のように料金や無料で送信できるメッセージ数が異なります。自社の友だちの登録数やメッセージ頻度などに応じて、最適なプランを選びましょう。

      LINEマーケティングを本格的に実施する場合には、通常、有料プランを選び、基本機能にオプション機能や拡張ツールを追加します。これらによって、実店舗とのショップカード連携やLINE上での商品販売などを実現できます。

      LINEプロモーションスタンプ

      LINEトークで使えるスタンプを無料または条件付きで提供する機能です。スタンプを使ってもらうことで自社のブランディングや認知度向上に役立てられます。また、イベント参加者や商品購入者に対する特典としてスタンプを配布する企業もあります。

      LINE STAFF START

      引用:linebiz.com

      LINE公式アカウントへのユーザーからの問い合わせに対して、スタッフ単位で直接コミュニケーションを取れる機能です。また、スタッフごとに接客の成果を集計することも可能です。

      コミュニケーションの手段には、LINEチャット、LINEトーク、LIVE配信によるリアルタイムの接客、メッセージ配信の4種類が選べます。いずれも実店舗への来店よりも手軽なため、アパレル業・小売業・サービス業など、接客が必要な企業が活用しています。

      広告のためのLINEマーケティング施策

      マーケティングにおいて広告配信は重要な施策の1つです。LINEマーケティングではLINEユーザーのほか、LINE関連のアプリやサービスに広告を配信することもできます。

      LINE広告

      LINE広告では膨大な数のアクティブユーザーに対して、広告を配信できます。配信先はトークリストの最上部やタイムリスト、LINE NEWS、LINEチラシ、LINEマンガなど豊富です。

      LINE広告は、配信先の設定やターゲットの設定などをオンライン上で行い、成果を確認できる運用型広告です。そのため、精度の高いターゲティングができ、費用を調整しやすいことが特徴です。

      Talk Head View

      引用:linebiz.com

      Talk Head Viewとは、トークリストの最上部に表示される動画広告です。タップすると動画広告が再生される仕組みになっており、1日5,000万ユーザーにアプローチできます。特にターゲットを若年層に絞って配信すると、再生率が増す傾向にあります。

      配信開始までには、企業・商品・広告内容について審査があるため、事前に条件を確認しておきましょう。

      販促・OMOのためのLINEマーケティング施策

      店頭への集客やキャンペーンの参加促進などの施策は、オンラインの比率が高くなってきました。

      また、実店舗とECショップとの境界をなくすOMOによって、顧客満足度を向上させることも重要になっています。ここでは、販促やOMOに活用できるLINEの機能を解説します。

      LINEで応募

      引用:linebiz.com

      LINEで応募は、旧「LINEセールスプロモーション」のことで、キャンペーンプラットフォームとポイント付与機能を提供しています。集客やリピーター増加につながる施策ができることから、利用しているのは主に小売業や店舗経営者です。

      例えば、「LINEオープンキャンペーン」では、アンケートに答えたユーザーのキャンペーン応募を受け付けたりポイントを付与したりできる広告を配信できます。また、「LINEパートナーパッケージ」では、デジタル販促に特化した応募機能などが使えるパッケージを活用できます。これらは認知度アップの施策や、友だち追加数向上などに役立てられます。

      LINEチラシ

      引用:linebiz.com

      LINEチラシは商圏内のLINEユーザーに対して広告配信できるデジタルチラシサービスです。また、ペルソナの属性やLINEの利用状況などを指定した精度の高い広告配信もできます。また、特売日の情報などタイムリーな施策が多いことから、ロイヤル顧客に対してはPUSH送信できる機能も備えています。

      LINEポイントAD

      引用:linebiz.com

      LINEポイントADとは、友だち追加やTalk Head View(動画広告)の視聴など、事前に設定した条件を満たしたユーザーにLINEポイントを付与できる機能です。この機能は、主にポイント付与をきっかけに友だち追加数を増やしたり、自社商品を認知させたりするために活用されています。

      また、ポイントを得たユーザーに対してだけ、特別な広告を配信することも可能です。そのため、商品認知から購買までを非常に短期間に完結するためのツールとしても使えます。

      LINEマーケティングの柱「LINE公式アカウント」を活用する3つのコツ

      LINEマーケティングではLINE公式アカウントの友だち追加数を増やし、これらのユーザーを中心にさまざまな施策を行うことが効果的です。そのために重要になる運用のポイントを3つ解説します。

      無料プランからスモールスタートする

      LINEマーケティングについて知識や経験が乏しい場合、LINE公式アカウントのフリープランから始める方法があります。フリープランなら初期費用もランニングコストもかけずに、アカウントを運用できます。

      例えば、特定のエリアの人しか利用しない実店舗やニッチな分野の企業では、友だちの数が一定数以上になるのに時間がかかります。まずは友だち追加数を増やす施策に予算をかけた方が効率的です。

      認証済みアカウントを取得しよう

      LINE公式アカウントには、認証済みアカウント未認証アカウントの2種類があります。

      LINE公式アカウントを開設しただけの段階では未認証アカウントですが、LINEの無料審査を受けて信頼度が高い企業・個人事業主として認められると認証済みアカウントに変わります。多くの企業は認証済みアカウントを取得するので、まずは審査を受けるようにしましょう。

      また、使える機能が増えることもメリットです。例えば、LINEアプリ内の検索対象となることや、実店舗用のQRコード付きポスターをダウンロードできるようになります。また、請求書決済サービス「Paid」や、LINE上に友だち追加を呼びかける広告出稿機能などを利用できます。

      ノウハウ・人手不足の場合は支援ツールを活用

      LINEマーケティングのノウハウがない場合や、マーケティング担当者や接客スタッフなどが人手不足の場合は、支援ツールを活用することをおすすめします。LINE公式アカウントにツールを拡張すれば、広告配信や顧客管理の自動化やチャットボットによる接客などを実現できるからです。例えば以下のような機能を実装して、ノウハウや人手の不足を解消できます。

      • 自動会話Botプログラムによる自動接客
      • Shopify(ECサイトプラットフォーム)と連携した顧客分析、おすすめ商品の提案
      • 販売促進メッセージの自動配信

        ツールを導入しなくても、LINEマーケティングはできなくはありません。しかし、人件費・工数を抑えながら効果的なLINEマーケティングを続けていくためには、拡張ツールの導入が必要です。

        LINEマーケティングの活用事例

        ここでは、企業でどのようにLINEマーケティングが実施されているのか、実際の事例を元に紹介します。これらは一例なので、自社に合わせて応用可能です。

        営業時間外も自動で顧客対応|サービス業など

        LINE公式アカウントを開設すると、ユーザーからの問い合わせにスピーディに回答することが重要になります。しかし、実店舗とLINEの対応を同じスタッフが行うことが難しい場合が少なくありません。また、多数の友だちを持つ企業では、定型的な質問に対して人が対応することで人件費が増大してしまいます。

        このようなときに有効なのが、拡張ツールによってLINE公式アカウントにチャットボットを導入する方法です。チャットボットなら24時間365日、顧客からの問い合わせに応答することが可能です。顧客満足度が上がるうえ、スタッフは本来の業務に集中できるため、結果として売上アップが期待できます。

        クーポン配布で集客率アップ|ECショップ・実店舗など

        LINEユーザーの多くは、クーポン券を獲得するためにLINE公式アカウントの友だち追加をする傾向があります。そのため、クーポン配布は非常に手堅い集客率アップのマーケティング施策です。

        LINEでのクーポン配布が紙媒体のチラシに着けたクーポン券などと違う点は、どの属性の顧客がいつ、どの広告に反応したのかなどを、自動的に集計できる点です。施策ごとに改善を繰り返すことで、さらなる集客アップが見込めるようになるでしょう。

        LINE上で配送状況確認・集荷申し込み|配送業など

        LINE公式アカウントのトーク画面下部には、「リッチメニュー」と呼ばれるタイル状のボタンを配置できます。例えば、配送業では「配送状況の確認」のメニューを押すと、荷物の状況を確認できるようになります。また、集荷申し込みなどのサービス利用者をLINE経由で増やすことも可能です。

        リッチメニューは簡単なものなら基本機能だけで作ることも可能です。しかし、自社の顧客情報や配送システムなどとの外部連携をするには拡張ツールが欠かせません。費用は別途かかりますが、開発コストや業務効率化によるコストカットを考えると、導入メリットは大きくなるでしょう。

        自社に合ったLINEマーケティングを実施しましょう

        8,900万人もの膨大な数のユーザーが存在しているLINEは、規模や業種を問わずマーケティングを行うべき媒体になっています。LINE公式アカウントを軸に、広告運用やクーポン配布などの自社に合ったLINEマーケティングを実施していきましょう。効率的なLINEマーケティングには、運用支援のための拡張ツールを導入することも重要です。

        DMMチャットブーストは、誰でも簡単に顧客対応やマーケティングを自動化できる「LINE公式アカウント自動化ツール」です。LINE公式アカウントとShopifyとの連携によって、顧客対応のための人件費を削減しながら、顧客満足度向上やリピート率アップ、売上向上を目指せます。

        DMMチャットブーストではLINE公式アカウントの使い方に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

        DMMチャットブーストforEC