企業がWebサイトやECサイトを運用するうえで、大きな課題の一つとして挙げられるのが顧客とのコミュニケーションの難しさです。WebサイトやECサイトへの誘導はできるものの、顧客の目的や訪問意図を読み取れずコンバージョンにつなげられない経験は多いのではないでしょうか。
そこで、今回は顧客とのコミュニケーションツールとなるチャットボットアプリについて、導入のメリットや注意点、成果を上げるためのポイントをお伝えします。
チャットボットアプリとは?
顧客とのコミュニケーションツールとして効果を発揮するチャットボットアプリ。具体的にはどのようなもので、どういった種類があるのでしょう。ここでは、チャットボットアプリの概要と種類を紹介します。
チャットボットアプリの概要
チャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた造語で、質問や問い合わせに対し自動で回答をするプログラムです。自社のWebサイトやECサイトで利用されているチャットボットの多くは、このプログラムをアプリケーションの一つとして実装しています。
チャットボットアプリの種類
ひと口にチャットボットといってもその種類は多様で、主に次の4種類が挙げられます。
FAQ型チャットボット
顧客からの質問に対して適切な回答を行うチャットボットです。予め予測できる質問の回答をデータベース化し、顧客の質問文に含まれるキーワードを基にデータベースのなかから回答を自動で選択して回答します。
処理代行型チャットボット
顧客と会話をしながらそのなかで得た情報をもとにシステム処理を代行するチャットボットです。例えば、セミナーの問い合わせがあった際、開催日を提示します。そのなかから顧客の都合を聞いたうえで、空きがあれば参加予約を代行するといった使い方があります。
配信型チャットボット
基本的にチャットボットは顧客と会話をすることでコミュニケーションを実現させるツールですが、配信型チャットボットは会話をするためのツールではありません。企業側が設定したタイミングで顧客へ情報を配信する形のチャットボットです。
例えば、「顧客がECサイトへ訪問し、特定の商品ページを表示させた際にその商品のセール情報を配信する」「顧客が自社Webサイトのトップページに訪問した際、セミナー情報を配信する」といった形が考えられます。
雑談型チャットボット
ここまで紹介したチャットボットは、「顧客の疑問を解決する」「予約や購入の代行をする」「有益な情報を配信する」などが目的です。これに対し、雑談型チャットボットは顧客との会話自体を目的としています。
日常会話に近い雑談をすることで、「親しみやすいイメージを持ってもらう」「また訪問したいと思ってもらう」などの効果を狙ったチャットボットです。
DMMチャットブーストではオムニチャネルに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
企業のWebサイトやECサイト運用にチャットボットを活用するメリット
さまざまな目的を持っているチャットボットですが、実際に自社のWebサイトやECサイトに導入するとどのようなメリットが期待できるのでしょう。ここでは、6つのメリットを紹介します。
チャットボットのメリット①迅速な対応が可能になる
従来、WebサイトやECサイトで顧客の質問や問い合わせに対応する方法としては、メールや問い合わせフォームが一般的でした。しかし、これらの方法は、質問・問い合わせ内容を受信したのち、担当者が一件ずつ対応するため、どうしてもタイムラグが生まれてしまいます。
チャットボットは、顧客の質問・問い合わせに対し、リアルタイムでの回答ができるため、迅速な対応が可能です。
チャットボットのメリット②Webサイト内で迷子にならなくなる
顧客がWebサイトやECサイトから離脱してしまう理由の一つに、「目的のページにたどり着けない」があります。チャットボットはそうした際、顧客との会話のなかから目的のページを判断したうえで、適切なリンクの提示が可能です。これにより迷子になって離脱といったリスクの軽減につながります。
チャットボットのメリット③コンバージョン数アップの可能性が高まる
顧客は疑問が解決しなければそのまま離脱してしまうケースがほとんどです。そのため、チャットボットで顧客の疑問を迅速に解決させられれば、企業に対する信頼感向上が実現します。その結果、資料請求や商品購入といったコンバージョンにつながる可能性が高まるでしょう。
チャットボットのメリット④顧客のニーズを知れる
顧客はチャットボットに対し、さまざまな質問・問い合わせを行います。これをデータとして蓄積していけば、「顧客は何に疑問を持っているのか」「自社WebサイトやECサイトに何を求めているのか」などが明確になり、的確にニーズをつかめるでしょう。
チャットボットのメリット⑤お問い合わせの工数削減が実現する
「迅速な対応が可能になる」でも説明したように、チャットボットを活用すれば、「顧客の質問・問い合わせをメールやフォームで受信する」「回答を返信する」。この2つの手間がなくなります。
もちろんチャットボットだけでは、解決につながらなかった質問・問い合わせへの返信は手作業で行わなければなりません。しかし、基本的な質問・問い合わせであればチャットボットだけで済ませられるため、全体としては大幅な質問・問い合わせ工数の削減が可能です。
チャットボットのメリット⑥人為的なミスが減少する
例えば、顧客からの質問・問い合わせに対し、担当者が回答をする場合、「商品名や金額を間違えてしまう」「セミナーの日程を間違えてしまう」といった人為的ミスが起こる可能性は少なくないでしょう。
しかしチャットボットはロボットのため、設定さえ間違えなければ基本的に名前や金額、日程の間違いといったミスは起こりません。
チャットボットはLINEとの連携も可能
ここまで自社WebサイトやECサイトでチャットボットアプリを活用する際のメリットを見てきました。しかし、ここで一つ大きな問題があります。自社WebサイトやECサイトへ誘導できなければチャットボットのメリットが生かせない点です。
どれほどチャットボットのメリットが多くても、自社WebサイトやECサイトへ誘導できなければ意味がありません。そこで、重要なポイントはいかにして誘導するかです。
一般的に自社WebサイトやECサイトへ誘導する場合の方法としては、「検索エンジン対策(SEO)」「Web広告」「SNSの活用」などが挙げられます。
そのなかでも今回、おすすめの方法はLINEの活用です。
自社WebサイトやECサイトへの誘導にLINEがおすすめな理由としては、「アクティブユーザーの多さ(2021年9月現在約8,900万人)」。そして、チャットボットが活用できる点にあります。
ほかの誘導手法は基本的に、「1対多」のコミュニケーションです。ただし、LINEはチャットが使えるため、「1対1」のコミュニケーションが可能です。そのため、顧客(友だち)とより親密な関係性の構築が行えます。
また、LINEをおすすめするもう一つの理由は、外部のチャットボットアプリと連携が取れる点です。LINEで使えるチャットボットはできることに限りがあります。
外部のチャットボットアプリであれば、LINEの標準的なチャットボットに比べ、より多くの機能を活用できます。
特にECサイトを運用している場合、LINEとチャットボットアプリの連携で自動接客はもちろん、配送状況の確認、自動販促通知などさまざまな機能が活用可能です。これにより、SNSとECサイトで別々の接客ではなく、一括での接客が可能になるため、業務効率化にもつながります。
チャットボットアプリ活用の注意点
さまざまなメリットを持つチャットボットアプリですが、活用時にはいくつかの注意点があります。そのなかでも次の2点については十分な注意が必要です。
回答内容の改善を継続して行う
チャットボットの種類にもよりますが、顧客の質問・問い合わせに対する回答は自分たちで設定しなければならないタイプも少なくありません。
このタイプのチャットボットを導入する場合、常に回答内容の改善を欠かさないようにしないと顧客が満足する回答ができなくなってしまいます。
また、頻繁に質問・問い合わせを受けることがらについては、チャットボットだけではなく、WebサイトやECサイト自体の改善も検討する必要があるでしょう。
例えば、「目的のページがどこにあるかわからない」「注文の仕方がわからない」といった質問が多い場合、サイトの構造や注文フォームの見直しが先決です。
特にFAQ型のチャットボットを活用する場合、もっともよいのは利用が増えることではありません。チャットボットを利用しなくても誰もが使いやすいWebサイト・ECサイトにすることです。回答内容の改善にばかり気を取られるのではなく、全体の改善も同時に進めて行く必要があるでしょう。
自社の状況に応じたチャットボットアプリを選択する
今回、紹介したようにチャットボットにはいくつかの種類があります。そのため、チャットボットを使って何を達成させたいかを検討したうえで、自社にとって最適はタイプを選択しましょう。
例えば、新規顧客のコンバージョンを上げたい場合は、FAQ型チャットボットが効果的です。セミナーや展示会予約を増やしたい場合は、処理代行型チャットボットがよいでしょう。
既存顧客向けであれば、配信型チャットボットでセール情報や新商品情報を表示させるのがおすすめです。
チャットボットアプリの活用で顧客とのコミュニケーション活性化を実現させよう
対面販売や商談に比べ、自社WebサイトやECサイトでの顧客とのコミュニケーションは簡単ではありません。特に今すぐに疑問を解決したい顧客とのリアルタイムでのやりとりを、人を使って行うのは担当者にとってもかなりの負担となってしまうでしょう。
チャットボットアプリの活用はそうした課題を解決し、顧客との迅速かつ適切なコミュニケーションの実現に大きく貢献します。
また、自社Webサイト・ECサイトへの誘導手段としてチャットボットアプリを活用したい場合は、LINEの活用が効果的でしょう。特におすすめしたいのがDMMチャットブーストです。
「自動会話Botプログラムを使った自動接客」「自動販促通知」などLINEから自社Webサイト・ECサイトへの誘導を実現します。顧客とのコミュニケーションにお悩みの際はぜひご相談ください。
DMMチャットブーストではコーディングに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。