「ShopifyでAmazon Payを導入したいけれど、手数料は高いのかな？」
と考える方も多くいるのではないでしょうか。
さまざまなネットショップが存在する中で、自社ショップを選んでもらうための課題として「ニーズに合った決済方法の導入」があります。中でも、ユーザー数の多いAmazonのアカウントと連携することで、決済が簡単に行えるAmazon Pay（アマゾンペイ）は、その普及率以外にもメリットが多く、ネットショップの決済方法として注目されています。
この記事では、Amazon PayのオフィシャルパートナーであるShopify（ショッピファイ）でAmazon Payを導入する際の手数料や、導入メリット、導入方法を紹介します。
DMMチャットブーストではShopifyに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
Shopifyの決済方法「Amaozn Pay」とは？
Amazon Payとは、Amazonに登録してある住所やクレジットカードなどのアカウント情報を使って、他のネットショップでも簡単に決済手続きを完了できるというAmazonが提供するサービスです。
Amazonアカウントでログインするだけで、新たに利用するネットショップで住所やクレジットカード情報を入力する手間を省くことができ、利用者にとって利便性が高い決済方法です。
Amazonは国内での普及率がかなり高いため、AmazonPayの需要も増えていることから、阪急百貨店やSHOPLISTなどの有名企業のECサイトでも導入されており、EC業界で注目が集まっています。
ShopifyでAmazonPayを使う際の手数料は？
Shopifyでは、AmazonPayの導入に、初期費用、月額費用は掛かりません。
決済手数料は、物理的商品・サービスの販売の場合は4%、デジタル商材の販売は4.5%となっています。以下の表では、Shopifyペイメントと手数料を比較して確認できます。
| AmazonPay | Shopifyペイメント | |
| 初期費用 | 無料 | 無料 |
| 月額費用 | 無料 | 29ドル～299ドル |
| 決済手数料 | 4.0%(デジタル商材は4.5%) | 3.25%〜3.4% |
Shopifyペイメントは日本のオンラインクレジットカードの場合、決済手数料3.25%〜3.4%で利用できるので、比較するとAmazonPayの4.0%はやや割高です。
AmazonPayを導入することで得られるメリットと、決済手数料の負担を比較し、導入を検討すると良いでしょう。
ShopifyでAmazon Payを導入する6つのメリット
利用者からの需要が高い決済方法である「Amazon Pay」をShopifyで導入するメリットについて説明します。
ShopifyでAmazon Payを導入するメリット①ショップのカート落ちを防ぐ
ネットショップでのカート落ちについては、Amazon公式でも以下のように触れられています。
"Baymard Instituteによると、カゴ落ち率は平均67.57%で、34%のお客様がカゴ落ちする主な理由として「アカウント作成が必須のため」を挙げています*3。"
*3: Mobile Checkout Optimization: 10 Ways to Retain Mobile Shoppers in the Checkout Process, Baymard Institute, June 2019
新規利用者は、せっかくほしいものを見つけても、アカウント登録がデメリットとなり買い物をやめてしまうことがあります。
その対策として、Amazon Payの導入は有効です。
Amazonのアカウント情報を連携して新規登録の手間を解消できれば、スムーズに決済完了まで進めます。
決済までのフローを最小限にすることで、カート落ちを防ぐことに繋がります。
また、Shopifyで対応していないクレジットカードしか持っていない場合もカート落ちの原因となります。
Amazon Payでは、Shopifyで対応していないクレジットカードも使えるため、より多くの人に自社ネットショップを利用してもらえるようになるでしょう。
ShopifyでAmazon Payを導入するメリット②商品の購入率アップ
Amazon Payを導入すると、カート落ちを防ぐことと同時に、商品の購入率も上がります。Amazonはネットショップの中でも普及率が高く、利用者が多いのが特徴です。
Amazon Payを導入することで高い集客効果も見込めるほか、利用者にとってデメリットになりがちである購入に必要な住所やクレジットカード情報の入力を省けることで、多くのネットショップの中から自社ショップを選んでもらいやすくなります。
さらに、Amazonによって購入フローが簡素化されることで、コンバージョン率も上がります。
Amazon Payで、決済完了まで最短で導くことができるれば、取り込んだAmazon利用者が自社の顧客になりやすくなり、商品の購入率アップに繋がります。
ShopifyでAmazon Payを導入するメリット③Amazonのセキュリティを介するため安心
ネットショップで商品を購入する際には、セキュリティ面の安全性も重要なポイントとなります。よく知らないネットショップや、複数のネットショップでアカウント登録をするのは、利用者にとってリスクが高い行為です。しかし、AmazonPayを導入しているショップであれば、Amazonのアカウント登録のみで買い物ができるため、安心感を与えられます。
AmazonPayは、ネットショップ利用時のアカウント登録によるリスクを軽減できる上に、Amazonが提供するサービスであるため、利用者からの信頼度も高く、選ばれやすい決済方法です。AmazonPayを導入すると、セキュリティ面でも安心して利用できるネットショップとして選んでもらいやすくなります。
ShopifyでAmazon Payを導入するメリット④不正な注文を防げる
不正注文などについて、Amazon公式で以下のように触れられています。
"不正の検出および防止 Amazon Payの利用は不正注文の対策としても期待できます。さらに、Amazon Payが決済を行うため、クレジットカード情報の非保持化を実現できます。"
引用：https://pay.amazon.co.jp/secure-checkout/merchants
AmazonPayは、Amazonの世界水準のセキュリティを介するため、不正な注文の検出や防止も期待できます。
アカウントやクレジット情報の不正利用がないか24時間365日監視されており、不正とみなされた場合はすぐに通知されるようになっています。企業にとっても利用者にとってもAmazonの高いセキュリティ力はメリットです。
また、企業にとってもリスクとなる顧客のクレジットカード情報を、Amazonアカウントから連携することができるため、非保持化を実現することができます。クレジットカード情報の非保持化は、企業がネットショップを運営する際のセキュリティ面でのリスクを軽減することに繋がります。
ShopifyでAmazon Payを導入するメリット⑤返金処理期限がない
AmazonPayでは、クレジットカードの返金処理の期限がないのも、企業にとって大きな魅力の一つです。
クレジットカード会社や決済代行会社によっては、返金期限が定められており、期限を過ぎた返金対応は、銀行振り込みなどで対応しなければならないため手間も労力もかかってしまいます。
AmazonPayは、請求済みの金額についての返金期限がないので、返金が必要になった場合でも、AmazonPay経由で簡単に返金対応ができます。
ただし、Amazonでは購入から長い時間が経過した商品の返金要求は無効になる可能性があります。
返金処理が出来なかった場合の対応についても検討しておく必要があります。
ShopifyでAmazon Payを導入するメリット⑥導入が数ステップで完了
さまざまなメリットがあるAmazonPayですが、ネットショップに導入する手順も簡単です。
後述しますが、数ステップの設定を行うだけで、自社ネットショップに導入できます。
ShopifyでのAmazonPayの導入方法
Shopifyで運営している自分のネットショップにAmazonPayを導入する方法を紹介します。
最初のAmazonアカウントの申請は、完了まで時間がかかるため、導入日に合わせて計画的に進めてください。
①Amazon Payアカウントを申請する
ShopifyでAmazon Payを導入するには、AmazonPayお申し込みフォームからAmazonPayアカウントを事前に申請し、導入前審査を完了しておく必要があります。申請後、AmazonPayから審査完了メールが届けば、Shopifyにて設定可能です。
AmazonPayお申し込みフォーム：pay.amazon.co.jp
②ログインし「決済」を選択
Shopifyで運営しているネットショップの管理画面にログインします。
ログイン後、左側のメニューバー下部にある「設定」をクリックします。
さらに表示されたメニューの中から「決済」を選択します。
③「Amazon Payを有効にする」をクリック
引用：Shopify管理画面
決済設定ページの中段にAmazon Pay関連の項目があり、その中の「Amazon Payを有効にする」をクリックします。
クリック後、設定の手順が表示されるので、 その文中にある「Amazon Seller Central」へアクセスし「AmazonクライアントID」「Amazon出品者ID」「MWSアクセスキーID」「MWSシークレットアクセスキー」を取得します。
引用：Shopify管理画面
Amazon Seller Centralのドロップダウンから“Amazon Pay（本番環境）”を選択
引用：shopify.jp
「Amazon Seller Central」をクリックするとAmazonのページに切り替わるので、事前に申請しておいたAmazonアカウントでログインします。
ログイン後、ページ内左上のプルダウンで「Amazon Pay（本番環境）」を選択してください。
引用：shopify.jp
続いて下部メニュー内の「インテグレーションセントラル」を選択し、次の画面で「アプリケーションを確認する」を選択します。
引用：shopify.jp
Shopify管理画面でAmazon Payを有効にする
引用：shopify.jp
既存のクライアントID/Store IDのページに進んだら、「編集する」 をクリックします。ストアの名前、ストアの説明、プライバシーポリシーURLを入力し、アプリケーション情報を登録します。
次に、Shopify管理画面で表示されているShopifyの「JavaScriptの種類」と「リダイレクトURL」のアドレス情報を、Amazonの既存のクライアントID/Store IDのページ内「許可されたJavaScriptオリジン（任意）」と「許可されたリターンURL（任意）」の欄にそれぞれ入力します。
引用：Shopify管理画面
シークレットアクセスキーを取得する
次に、クライアントシークレット及びシークレットアクセスキーの取得を行います。
Amazon Seller Centralの上部メニュー内のインテグレーションから「インテグレーションセントラル」を選択します。
インテグレーションの概要というセクションの下部にある「クライアントシークレット及びシークレットアクセスキー取得」をクリックすると、下記の情報が表示されます。
・Amazon Client ID（クライアントID）
・Amazon Seller ID（出品者ID）
・MWS Auth Token（アクセスキーID）
・MWS Secret Access Key（シークレットアクセスキー）
それぞれの文字列をコピーし、Shopifyの管理画面の該当箇所に貼り付けてください。
引用：Shopify管理画面
“Amazon Payを有効化する”で完了
情報の入力が完了したら、下部にある「Amazon Payを有効化する」のボタンをクリックします。これで、設定は完了ですが、反映されるまでに時間がかかり、2日程度かかる場合もあるので、決済方法追加のアナウンスを行う場合は注意してください。
DMMチャットブーストでは👉shopifyのカスタマイズに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
ShopifyでAmazon Payを使うときの疑問Q&Aと注意点
メリットが多いAmazon Payのサービスですが、どんなネットショップでも使える、どんな人でも導入できるというわけではありません。また、決済できない場合にどうしたらいいかなど、ShopifyでAmazon Payを使うときの疑問点・注意点について、それぞれ解説します。
越境ECでも使える？→使えない
Shopifyで海外の利用者も対象にする越境ECサイトを運営している場合、Amazon Payの導入はおすすめしません。
Amazon Payは、日本のAmazonアカウントが利用できるサービスであるため、導入しても海外の利用者には使えません。
そのため、海外の利用者がメインとなる越境ECサイトを運営している場合、Amazon Payは不向きです。
Shopifyでの越境ECサイト運営には、Amazon Pay以外で設定可能な「Shopifyペイメント」やオンライン決済サービスの「PayPal」を決済方法として利用した方が良いでしょう。
Amazon Payは誰でも導入できる？
AmazonPayは、日本に拠点があり、登記謄本がある法人のみが利用可能です。
また、Amazonが規定している禁止ビジネスカテゴリーの商品の取り扱いや導入サイト内で禁止商材を取り扱っていないことも条件となります。
Amazon Payは事前の申請が必要？
Amazon Payを導入するには事前の申請・承認が必要です。 AmazonPayお申し込みフォームからAmazonPayアカウントを事前に申請し、導入前審査を完了しておく必要があります。 審査を通過しない限り上記作業を進めることができないので、Amazon Payの導入を検討している場合は早めに申請しておきましょう。
AmazonPayお申し込みフォーム：pay.amazon.co.jp
Amazon Payで決済できない時は？
Amazon Payを設定したのに、決済がうまく行かない場合やエラーが出る場合は以下のことを確認してください。
AmazonPay設定で入力した
「許可されたJavaScriptオリジン（任意）」と
「許可されたリターンURL（任意）」
が異なっていないか。
Amazon Payを設定したあとに、ネットショップのドメインを変更した場合、
管理画面のJavaScriptオリジンとリターンURLが変わっている可能性があります。
その場合、Amazon Seller Centralで設定したものと異なってしまうため、決済がうまくいかなくなってしまいます。同一なのか確認し、異なっていれば最新のアドレスに変更して再度決済できるかどうか確認してください。
ShopifyのAmazonPayは手数料以上に便利！
Shopifyでネットショップを運営するなら、Amazon Payは便利な決済方法です。アカウント登録を新規で行う手間を省くほか、Shopifyで対応していないクレジットカードも決済で使えるようになり、ショップの利便性が上がります。
また、不正利用の検出やカード情報の管理、返金期限がないという点などを考えると、決済手数料以上に便利です。
Amazon Payを導入することで、カード情報の管理リスクは軽減できますが、
配送先や注文履歴などの顧客情報の管理はこれまで通り必要です。
「DMMチャットブースト」は、Shopifyの顧客データを活用し、LINE公式アカウントを使ったマーケティングまでサポートしてくれるチャットボットサービスです。顧客管理が簡単にできるようになるほか、顧客対応の自動化も可能です。
ネットショップをShopifyで運営する際には、是非、DMMチャットブーストの導入も検討してください。
DMMチャットブーストではShopifyの手数料に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。