「LINE公式アカウントを自治体でも活用させたい」
「自治体で利用する際の料金はどうなるんだろう?」
このようなことが気になる方も多いのではないでしょうか。
LINEでユーザーと企業・店舗をつなぐ「LINE公式アカウント」。家族や友人とLINE上でコミュニケーションを取るように使えるので、幅広い世代に使いやすいサービスです。最近では地方自治体の議員がLINEアカウントを運営し、市民への情報発信や諸手続きの受付・申込、生活の支援のために利用しています。
今回の記事では、地方自治体がLINE公式アカウントを利用するときの料金システムや導入の流れ、実際の活用事例をご紹介します。
DMMチャットブーストではLINE公式アカウントに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
地方自治体がLINE公式アカウントを使う場合の料金
LINE公式アカウントは3種類のプランがあります。
・フリープラン(月額費無料)
・ライトプラン(月5,000円/税別)
・スタンダードプラン(月15,000円/税別)
これらのプランに、地方自治体向けの「地方公共団体プラン」を適用できます。適用すると、基本的に無料でサービスを利用できます。
地方公共団体プランについて、次に詳しく解説します。
LINEの「地方公共団体プラン」とは?
LINE公式アカウントの地方自治体向けプランが「地方公共団体プラン」です。2019年5月より提供がスタートしました。
プランが作られた目的は、より多くの地方自治体と住民に、LINE公式アカウントを便利に使ってもらうことです。
申請してLINEの審査を通過すると、各自治体ごとに1つ、LINE公式アカウントが無償で提供されます。
そのアカウントを友だち登録している住民に向けて、一斉にメッセージ配信やタイムライン投稿ができます。
次にプランの詳しい内容を見ていきましょう。
地方公共団体プランの内容
3つのLINE公式アカウントプランと、地方公共団体プランを適用した内容を比較してみましょう。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン |
地方公共団体
プラン適用 |
|
月額 固定費用 |
無料 | 5,000円 | 15,000円 | 無料 |
無料メッセージ通数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 | 制限なし |
追加メッセージ従量料金 | 不可 | 5円/1通 | ~3円/1通 (従量課金デーブルに基づく) |
- |
プレミアムID 利用料金 |
1,200円 | 1,200円 | 1,200円 | 無料 |
(※すべて税別)
地方公共団体プランは、通常のLINE公式アカウントの3プランと機能差はありません。
適用することで、無料で使える機能が増えます。
「プレミアムID」の詳細は次の章で説明します。
地方公共団体プランの料金
地方公共団体プランは無償プランです。メッセージ通数も無制限でサービスが受けられます。
Chat APIや通知メッセージ、LINE Beaconなどのオプション費用は別途かかります。
LINEはプランを利用する地方自治体に、下記2つを免除しています。
・LINE公式アカウントの利用料金
・プレミアムIDの利用料金
参照:LINE公式アカウント作成・利用マニュアル(行政向け)
プレミアムIDとは
「プレミアムID」とは、料金プランとは別に料金を支払うことで、希望の文字列(4~18文字)にできるIDです。
通常LINE公式アカウントが開設されると、「ベーシックID」というランダムの英数字8文字のIDが無料で発行されます。
このIDを検索で入力すれば、公式アカウントに飛べます。
しかしランダムで覚えにくいIDのため、プレミアムIDで好きな文字列にできるのはメリットです。
例えば、
ベーシックID:@123xxxxx
↓
プレミアムID:@tokyo
のように、プレミアムIDでわかりやすい文字列にすることで検索がしやすくなります。
プレミアムIDは通常有料(月額1,200円/税別)ですが、地方公共団体プランでは免除されます。
同プラン申請前にすでに支払い済みの利用料金があれば、その金額は返金されないので注意しましょう。
地方公共団体プランの利用条件
プランを利用するための条件は下記5つです。
① アカウント名が地方公共団体名である(「〇〇県」「〇〇市」(「〇〇県庁」「〇〇市役所」など)
② 認証済みビジネスアカウントを申請前に準備しておく
③ 代理人の申請ではない
④ 申請元は都道府県市区町村(区は23区のみ)である
⑤ すでに他のアカウントで本プランが適用されていない(1地方公共団体につき1つのみ 本プラン適用OK)
引用:LINE公式アカウント作成・利用マニュアル(行政向け)
②について、地方公共団体プランは、まずは自治体のビジネスアカウントを作成する必要があります。
ビジネスアカウントができたらLINE公式アカウントの開設手続きをします。
LINE公式アカウントの開設手続きのなかで、「認証済みアカウント」と「未認証アカウント」が選択できます。
自治体の公式アカウントとして開設する際は、必ず「認証済みアカウント」にします。
引用:linebiz.com
地方自治体がLINE公式アカウントを利用するメリット
地方自治体がLINE公式アカウントを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ユーザー側と自治体側、それぞれ見ていきましょう。
ユーザーのメリット
ユーザーの大きな利点は、自分の住んでいる地域の情報をすぐに受け取れることです。
普段から利用している方が多いLINEでは、通知が来ればすぐ気付きます。特に、防災情報など一刻を争う情報もすぐに届くのは安心です。さらに諸手続きが簡単にLINEで済むのも大きな利点です。
例えばパスポートや運転免許証の更新、住民票の申請などもLINE公式アカウントで済ませられるところもあります。
平日に役所に足を運ぶ手間が省け、いつでも好きなときに好きな場所から、スマートフォン一台で手続きが完了するので便利です。
地方自治体のメリット
地方自治体側のメリットは、重要な情報を素早く多くの人たちに届けられることです。
LINEは、国内の月間利用者数が8,600万人(2020年9月末時点)という、非常に多くのユーザー数を誇ります。
普段からLINEを使用している人が多いので、LINEを利用して情報発信することで、メールやハガキなどよりも多くの方々に情報を伝えやすくなります。
さらに返信を自動化して、問い合わせ窓口の人員工数を削減できます。
友だち登録している人たちの性別や年齢、居住地などの属性がわかるので、属性ごとにパーソナライズ化したセグメント配信(絞り込み配信)も可能。より情報をピンポイントに、マッチする対象に届けられます。
地方自治体のLINE公式アカウント活用事例
メリットがわかってきたところで、地方自治体が実際にどのようにLINE公式アカウントを活用しているかをご紹介します。
地方自治体のLINE公式アカウントの主な活用方法としては、
・市政情報の配信
・相談・問い合わせ窓口の対応
・災害・緊急情報の配信
があります。
それを踏まえて、実際の活用例を5つご紹介します。
ちなみに下記5事例は、その地方自治体だけのオリジナルではなく、他の地方自治体でも同様の取り組みをしているところも多くあります。あくまでも一例として、ピックアップしてご紹介します。
自治体例① 渋谷区
渋谷区のLINE公式アカウントには、子育て世代に使いやすい仕組みがあります。
例えば位置情報を入力すると、渋谷区内にある保育施設を検索できます。
さらに入園を希望する子どもの情報や入園の希望条件を指定して、条件にマッチした保育園に絞ることができます。
引用:渋谷区LINE公式アカウント
ほかにも、育児学級や妊婦面接などもLINEから簡単に予約申し込みができます。
自治体例② 神奈川県
神奈川県は、「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」というLINE公式アカウントを作っています。
体調や持病の有無、年齢などを入力すると、自分の状態に合った新型コロナに関する情報をお知らせしてくれます。
相談センターに連絡すべきか伝えてくれるので安心です。
新型コロナに感染した人が出て、保健所が同じ施設の濃厚接触者の感染リスクを疑う場合は、対象者にLINEでお知らせが届きます。
自治体例③ 山口市
山口市のLINE公式アカウントでは、防災情報を簡単に受け取れます。
配信される防災情報の一例は、
- 地震情報
- 津波予報
- 気象警報
- 避難情報
などです。
これらの情報の中から必要なものを選び、自分の居住エリアで設定しておけばOKです。
引用:山口市LINE公式アカウント
自治体例④ 宇治市
宇治市のLINE公式アカウントでは、ごみの分別を簡単に調べられます。
LINEトーク画面下のメニューにキーボードアイコンがあるので、クリックして捨てたいものの名前を入力して送信するだけ。すると適した捨て方がトーク返信で届きます。
引用:宇治市LINE公式アカウント
自治体例⑤ 新潟市
新潟市のLINE公式アカウントには、「結(ゆい)パスポート」というユニークなサービスがあります。
対象は結婚や新婚のカップル。LINEで申請するとパスポートがもらえ、提携店舗で提示するだけでサービスが受けられます。
有効期間は発行日から2年間です。
引用:新潟市LINE公式アカウント
LINE公式アカウントで住民により良いサービス提供を
LINE公式アカウントを利用することで、住民の方々により早くより広範囲に情報を配信できます。無償で適用できる地方公共団体プランもうまく利用して、効率的な自治体運営に役立ててください。
LINE公式アカウントは、地方自治体だけではなく、企業や店舗とユーザーを結ぶサービスでもあります。ECサイトのプラットフォーム「Shopify」でオンラインショップを出すなら、LINE公式アカウントと連結することで、より便利に顧客管理ができます。
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