マルチチャネルとは

マルチチャネルとは?クロスチャネルやオムニチャネルとの違いと自動化ツールの紹介

・マルチチャネルってどういうこと?
・マルチチャネルを実現するにはどうすればいいの?
・マルチチャネルのメリットやデメリット、具体例を知りたい

「マルチチャネル」というキーワードを聞いてそんな疑問を抱えている方も多いことでしょう。
集客や売上をアップするためには、顧客との接点を増やし、自社の商品やサービスを知ってもらい、購入に結びつけることが大切です。

そのためには、まずマルチチャネルに対応する必要があります。

そこで今回はチャネル戦略のひとつであるマルチチャネルについて解説していきます。

あわせてシングルチャネルとの違いや、マルチチャネルのデメリットを克服するクロスチャネル、
そしてオムニチャネルについても説明をしていきます。

多彩なチャネル戦略に対応できるECサイトの効率化ツールも紹介。本記事を読めば、集客や売上をアップするためのチャネル戦略が網羅的に理解できます。

DMMチャットブーストではオムニチャネルの事例に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

DMMチャットブーストforEC

マルチチャネルとは?

マルチチャネルとは、顧客との接点である販売経路を複数構築することを言います。
実店舗しか持たなかったお店が、ホームページを構築して販売経路を増やすような取り組みがマルチチャネルです。
マルチチャネルの目的は、複数の販売経路を構築し、集客や売上をアップすることです。

チャネルとは?

チャネルとは、顧客との接点である販売経路のことです。お店、ECサイト、カタログ通販などがチャネルにあたります。
チャネルを設けることによって、顧客とコミュニケーション(問い合わせ対応や接客)が可能となり、自社の製品やサービスを販売することができます。

シングルチャネルとは?

シングルチャネルは、顧客との接点である販売経路がひとつしかない状態です。実店舗しか持たないお店などがシングルチャネルの状態です。
顧客との接点がひとつしかないため、集客や売上をアップしようとしても、打つ手立てが限られます。実店舗しかチャネルを持たなければ、店舗に来た顧客としかコミュニケーションが取れません。

そもそもお店を知らない人に販売するきっかけを作ることができませんし、お店が遠くて来ることができない人には購買することもできません。

シングルチャネルの状態は、集客や売上をアップする機会を損失している可能性があります。集客や売上を伸ばすには、チャネルを複数展開すること、つまりマルチチャネル化する必要があるのです。

シングルチャネルとマルチチャネルの違い

シングルチャネルとマルチチャネルの違いを解説していきます。

シングルチャネルの場合

シングルチャネルは、顧客との接点である販売経路がひとつしかない状態です。
例えば、美容院のチャネルはお店です。お店以外の接点を持たない状態がシングルチャネルの状態です。

お店に来た顧客には、お店の割引クーポンを配布したり、新しいシャンプーやトリートメントを販売することができます。
お店の電話で予約を受け付け、お店の前を通りがかった人にはお店の存在を知ってもらうことができます。

しかし、お店に来られない人やお店をそもそも知らない人にはアプローチをかけることができません。

シングルチャネルで集客や売上をアップしようとしても、接触できる顧客の母数が限られるため、
効果的な戦略や戦術が考えられません。

マルチチャネルの場合

実店舗しか持たない美容室がマルチチャネル化したらどうなるのでしょうか?

例えば、ホームページを構築すれば、チャネルを増やすことができます。ホームページを通じて、
お店の予約が増えるきっかけを作ることができます。

お店の前まで来なくても、顧客はお店の様子や新しいキャンペーンを知ることができます。
ホームページからカットの予約ができれば、いちいち電話で空き状況を確認せずにスケジュール調整ができるようになるから便利です。新しいシャンプーやトリートメントを通信販売されていたら購入してもらえるかもしれません。

また、その美容院がInstagramなどのSNSを運用することで新しいチャネルをまたひとつ増やすことができます。
おすすめのカットやカラーの写真をSNSにハッシュタグ付きで投稿することで、お店のことをまったく知らなかった顧客にお店を知ってもらうきっかけを作ることができます。

マルチチャネル化することでお店の見込み客を増やせたり、ネットを通じた商品の販売が増やせれば、徐々にお店の予約が増えたり、
リピートする顧客が増えたりします。

マルチチャネル化することで、顧客のすそ野が広がり集客や売上のアップにつながるのです。

シングルチャネル マルチチャネル
顧客との接点・販売経路 1つ 複数
お店の情報管理 シンプルで管理しやすい 複雑で管理しにくい
お店の戦略や戦術 打ち手が限られる 多彩な施策が可能
顧客の利便性や満足度 低い 高い

マルチチャネルの事例紹介

マルチチャネルをわかりやすくお伝えするために、マルチチャネル化の事例を紹介していきます。

マルチチャネルの事例1|JR東日本の事例

引用:k-evolva.com

JR東日本では、「モバイルSuicaサポートセンター」をマルチチャネル化しました。
従来の顧客サポートは『電話』のみであった「モバイルSuica」。しかし、電話によるサポートには以下のようなデメリットがあります。

・対応できる時間が限られる
・日中は電話が混みあい繋がりにくい
・オペレーターの人件費などコストが割高

そこで、Webフォーム、チャットサポートなどを導入して顧客サポート窓口をマルチチャネル化しました。
電話以外のチャネルを作ることで、サポートの自動化やサポート業務の分散化に成功しました。

サポート業務の受付窓口をマルチチャネル化することによって、顧客の待ち時間を減らし、問題解決の時間を短縮できたのです。

顧客サポートそのものは集客や売上を目的としたものではありませんが、顧客の満足度を向上させ、自社の業務効率も改善することができれば、結果的に集客や売上のアップにも良い影響を与えることでしょう。
この対策のポイントは、自社の業務効率を改善するだけでなく、顧客が抱える問題の解決スピードを早めたり、待ち時間や利便性などの顧客の不満を解消できている点です。

自社の都合だけでマルチチャネル化を進めても、良い成果は得られません。
なぜなら、チャネルを通じて接してくるのは顧客だからです。

顧客が抱える問題や不便さをいかに解消できるのか、そして顧客にどのようなメリットが与えられるのかがマルチチャネル化にはもっとも重要なことなのです。

マルチチャネルの事例2|ラーメン店

もっと身近なわかりやすい例を使ってマルチチャネルを解説していきましょう。
例えば、ラーメン店でもマルチチャネル化は進んでいます。コロナ禍によって実店舗での売上が厳しい中、Amazonや楽天市場などのショッピングモールを通じて家で作れるラーメンセットを販売するようなケースです。

顧客にとっては、外出が難しいコロナ禍においても家で本格的なラーメンが食べられるというメリットがあります。家族で安心して食事ができるという体験は、顧客が本質的に求める価値と言えるでしょう。

ラーメン店にとっては、店舗での売上が見込めない中、ECショップは新たな販売経路になります。
また、お店と違って24時間365日にわたって販売の機会を創出できるというメリットもあります。

本格的なラーメンのおいしさに共感した顧客が写真をSNSに投稿すれば、それをきっかけに新たな顧客がECショップに流入してくるかもしれません。そのSNSの投稿に対してお店から感謝のコメントを返せば、顧客との新しいコミュニケーションも生まれることでしょう。

変化の激しい時代において、お店というシングルチャネルのままでいればジリ貧になるばかりです。
マルチチャネル化に打って出れば、ピンチをチャンスに変えることができるのです。

DMMチャットブーストではオムニチャネルに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

マルチチャネルのメリット・デメリット

マルチチャネルのメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

マルチチャネル
メリット
デメリット
・顧客との接点が拡大する
・情報管理が複雑になる
・多彩な施策が検討できる
・コストが増える
・売上アップが期待できる
・マーケティングが難しい

マルチチャネルのメリット・デメリットを解説していきます。

マルチチャネルのメリット

マルチチャネルの主なメリットは以下の3つです。

・顧客との接点が拡大する
・多彩な施策が検討できる
・売上アップが期待できる

それぞれを解説していきます。

マルチチャネルのメリット①顧客との接点が拡大する

マルチチャネル化することによって、顧客との接点が拡大します。お店しかチャネルを持たない店舗が、ホームページやSNS、ポータルサイト、YouTubeなどの新たなチャネルを持つことで、今まで接点が持てなかった顧客とのコミュニケーションが可能になったり、既存客との接触回数を増やしたりすることができます。

顧客との接点が拡大すれば、お店のファンを増やしたり、お店のリピート率を増やすことができます。

マルチチャネルのメリット②多彩な施策が検討できる

お店しかチャネルを持たなかった店舗がマルチチャネル化することで、新たな施策を打つことができるようになります。

例えば、ホームページでメルマガ会員を募れば、メルマガを通じて集客をすることができるようになります。LINE公式アカウントで友だちを増やすことができれば、新しいキャンペーンや割引クーポンを配布することもできるようになります。

チャネルごとに多彩な施策を検討できるので、積極的な顧客とのコミュニケーションが可能になります。

マルチチャネルのメリット③売上アップが期待できる      

マルチチャネル化で顧客のすそ野が広がり、コミュニケーションが増えることで、新規顧客からの売上が増えたり、既存客の来店回数を増やすことができます。

チャネルを増やしたことによって多彩な施策が打てるようになり、売上アップが期待できるのです。

マルチチャネルのデメリット

マルチチャネルにもデメリットがあります。主なデメリットは以下の3つです。

・情報管理が複雑になる
・コストが増える
・売上が増えるとは限らない

それぞれを解説していきます。

マルチチャネルのデメリット①情報管理が複雑になる

マルチチャネル化することによって、顧客との接点が増えます。顧客の名簿管理や在庫や予約の管理、アフターフォローなどの情報が増え、管理が複雑になってしまいます。

例えば、店舗での常連客であるにも関わらず、ホームページから申し込みをした場合、名簿の管理ができていなければ新規顧客として接客をしてしまうでしょう。また、すべてのチャネルの在庫情報をきちんと管理できないと、すでに在庫がないのにホームページで販売をしてしまうことにもなりかねません。

しかし、情報管理については、一元管理できるツールを導入することで解消することができます。

マルチチャネルのデメリット②コストが増える

マルチチャネル化することで、チャネルごとに情報を管理したり、人員を配置したりするためにコストが増えてしまいます。

しっかりと管理をしなければ、予約がかぶってしまったり、在庫がわからなくなったりするからです。

マルチチャネル化することによる投資対効果が得られれば良いのですが、コストが増え続けたり、運営効率が悪化しないように注意しなければいけません。

しかし、チャネルを統合的に管理することで、コストアップを抑えることができます。

マルチチャネルのデメリット③マーケティングが難しい

マルチチャネル化すれば必ず売上が増えるわけではありません。
マーケティングをしっかりと行い、顧客に価値を提供できなければ、売上を増やすことはできません。

自社の都合でマルチチャネル化を進めても、顧客がそれを必要としていなければ効果を得ることはできません。高度なマーケティングが必要になります。顧客のメリットを考えたうえで、どんなチャネルを増やせば顧客の評価を得られるのかを検討しましょう。

しかし、マーケティングに成功すれば、シングルチャネルでは実現できなかった集客や売上を期待することができます。

マルチチャネルが進化したクロスチャネル・マルチチャネル

マルチチャネルは情報管理が複雑になるため、予約がかぶってしまったり、在庫がわからなくなったりするというリスクがあります。こうしたリスクを避けるためには、手間と時間をかけなければならず、コストが増えてしまうというデメリットがあります。

こうしたマルチチャネルのデメリットを克服するのが、クロスチャネル、そしてオムニチャネルです。

クロスチャネルとは?

クロスチャネルは、各チャネルの顧客や在庫などの情報を一元管理して業務効率を高めるチャネル戦略です。

マルチチャネルとクロスチャネルの違い

マルチチャネルでは各チャネルごとに情報を管理していました。顧客との接点が増えるというメリットがある一方、情報管理が複雑になるため業務効率が悪化するリスクがあります。

クロスチャネルは情報を一元管理するので、情報管理がシンプルになります。予約がかぶってしまったり、在庫がわからなくなったりするというリスクも減らせます。

クロスチャネルのメリット

クロスチャネルは情報を一元管理できるので、複雑な情報管理から人手を開放することができます。マーケティングや商品開発、カスタマーサポートなど、より付加価値の高い業務にリソースを集中できます。

また、顧客に対して一貫性のある安心なサービスであるという印象を持ってもらうことができます。

クロスチャネルのデメリット

チャネルの情報を統合してしまうことにより、どのチャネルでどのような効果があったのかが把握しにくくなります。

そのため、各部門や担当者の個別評価をしにくくなります。

クロスチャネルの事例

アプリを導入することによって、お店でもECサイトでもポイントを付与することができます。
アプリを利用してもらうことで、チラシやクーポンの効果測定も可能になります。

顧客データを総合的に分析することが可能になるため、顧客にあった商品やサービスをリコメンドできるようになります。
顧客にとっては利便性や満足度がさらに高まり、自社としては顧客を強力に囲い込み、リピート申し込みを促すことができるようになります。

オムニチャネルとは?

オムニチャネルとは顧客にチャネルの違いを意識させず、ブランドとして統一感のあるサービスを提供する戦略です。

クロスチャネルとオムニチャネルの違い

クロスチャネルの場合、顧客はお店やECサイト、SNSなどの違いを認識しつつ利用している状態です。自社もチャネルごとの特色や違いを生かそうとしている段階にあります。

しかし、顧客はチャネルの違いや区別がない方が利便性があり満足度も高まります。そのため、自社は顧客が求める体験を提供するために、すべてのチャネルを統合的に運用するようになります。

オムニチャネルのメリット

自社のブランドやサービスを顧客とともに共有し高めていくことができます。顧客をファン化することで安定的な売上が維持できるとともに、顧客とより深い信頼関係を構築することができます。

オムニチャネルの注意点

施策や広告の個別の効果がますます測定できなくなります。各部門やスタッフの個別の評価も困難になるでしょう。

個別の効果や評価を測定するためには、各チャネルを独立して考えなければなりません。しかし、各チャネルを独立して考えればオムニチャネルではなくなってしまいます。

オムニチャネルの事例

マクドナルドは、テレビCM、ホームページ、アプリ、店舗、チラシ、SNSなど、すべてのチャネルにおいて情報やメッセージ、ブランドイメージが統一されています。

すべてのチャネルは、顧客のイートイン、テイクアウト、デリバリーに通じていて、最終的には顧客が感じる『i'm lovin' it』という体験をゴールとしています。

『i'm lovin' it』は、マクドナルドにて2003年9月から導入された全世界統一の宣伝文句です。

チャネル戦略の注意点

マルチチャネルは、クロスチャネル、そしてオムニチャネルへと進化していくための前哨戦とも言えます。このような多彩なチャネル戦略を取るには注意点があります。主な注意点は以下の3つです。

・情報の整理や共有する
・スタッフを教育する
・コストを抑える

それぞれを解説していきます。

チャネル戦略の注意点①情報の整理や共有する

多彩なチャネル戦略を取ることで、情報量が膨大になり、情報の整理や共有に課題が生まれます。

情報を一元管理することはもちろん、その情報を次の一手のために活用できるようにしなければいけません。

チャネル戦略の注意点②スタッフの教育する

チャネル戦略が高度化すると、各チャネルごとの意識が薄れていきます。
これは自社視点から顧客視点に、つまりセリングよりもマーケティングがより重視されるということです。

顧客が求める本質が何なのかをスタッフに教育し、ブランドとしての意識を統一することが必要です。スタッフの意識が統一されていなければ、チャネルごとにばらばらな対応になってしまい、顧客満足度を高めることはできないでしょう。

チャネル戦略の注意点③コストを抑える

多彩なチャネルを持つことで、それを維持し管理するためのコストが増えてしまいがちです。

人件費や業務のコストを抑えるためには、より効率的なツールを導入するなどして可能な限り自動化することも検討していきましょう。

多彩なチャネル戦略に強いツールの紹介

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ShopifyとDMMチャットブーストを連携させれば、ショッピングサイトの構築から集客・接客、アフターフォロー、もちろん決済に至るまで、効率化したり自動化することが可能になります。

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まとめ マルチチャネルとは?クロスチャネルやオムニチャネルとの違いと自動化ツールの紹介

本記事ではマルチチャネルとは?クロスチャネルやオムニチャネルとの違いと自動化ツールについて解説しました。
マルチチャネルの運用はデメリットもあるので、クロスチャネル、オムニチャネルへと発展させていきましょう。

多彩なチャネル戦略を効率的に運用するには、接客を自動化できるツールの導入も検討していきましょう。
ECサイトを構築するにはShopifyがおすすめです。また、『集客と接客』には、Shopifyと連携でき、LINEでユーザーとやり取りができるチャットボットシステムが便利です。

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ECサイトの経営者や責任者、スタッフの方は、より戦略的で創造的な仕事に時間やコストを振り向けることができ、ますますECサイトの売上がアップしていきます。

『Shopify』×『DMMチャットブースト』で、多彩なチャネル戦略を効率的に運用し、集約や売上をアップしていきましょう。

DMMチャットブーストではコーディングに関する記事もございますので、ぜひご覧ください。

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