ECサイトを運営するうえで欠かせないのが、アクセス解析を用いたデータ分析です。
ですが、ただデータを眺めているだけでは情報を活かすことができません。
ここでは、データ分析のメリットからデータの分析方法、そしてECサイト運営においておすすめのアクセス解析サービスまで紹介していきます。
DMMチャットブーストではECサイト改善に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
なぜECサイトでデータ分析が必要なのか
そもそも、なぜECサイトを運営するうえでデータ分析が必要になるのでしょうか。
3つのポイントに絞ってデータ分析のメリットを解説します。
ECサイトで分析が必要な理由1|サイトの問題点を見つける
アクセス解析は、ECサイトの中でどのページがどの程度閲覧され、商品の購入に繋がっているのかを知ることができます。
例えば想定よりも商品が売れていない場合、商品ページに辿り着いたあとに購入に至らないのか、それとも商品ページまで辿り着かずにサイトから離脱しているのかによって、問題点が変わります。
そのようなECサイトにおける顧客の行動も、アクセス解析を用いることで知ることができるのです。
これにより、サイトのどこに問題があるのかを的確に見極めることが可能になります。
ECサイトで分析が必要な理由2|データをもとにマーケティング施策が行える
見つけたサイトの問題点や分析したデータをもとに、具体的にマーケティングの施策を行うことができます。
例えばデータを分析した結果、売上アップのために顧客単価を上げたいのであれば「購入数を増やすためにセット商品を増やす」ことや、「ある価格以上の購入で送料無料のキャンペーンを実施する」など、データを分析することで今何をしなければいけないのか施策を考えて実施することができるのです。
ECサイトで分析が必要な理由3|実施した施策の結果を知ることができる
ECサイトの運営においても、通常の業務と同じようにPDCAサイクルを回していくことが必要になります。マーケティング施策を行ったとしてもその施策の結果が分からなければ改善点を見つけることはできません。
アクセス解析を用いてデータ分析を行うことで、ECサイトで実施したマーケティング施策の結果を具体的な数字として見ることができます。それにより、施策が成功だったのか、改善が必要なのかを知ることができ、PDCAサイクルに繋げられるのです。
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ECサイト分析で重要な6つのKPI
ECサイト運営でデータ分析を行う場合、どのようなポイントを抑えてアクセス解析のデータを見れば良いのでしょうか。
ECサイトのデータ分析に重要な「KPI」という指標について、その重要性、および見るべき6つのKPIについて説明します。
ECサイト分析におけるKPIの重要性とは
ECサイトでデータ分析をする場合、KPIという指標が欠かせません。
このKPIとはマーケティング用語の一つです。KPIとはどのようなもので、なぜ重要なのでしょうか。
KPIとは
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、ある目標を達成するためにそのプロセスで必要になる業務上の指標のことです。
「重要業務評価指標」とも呼ばれます。指標として各項目に対して具体的な数字を設定することで、確実に目標を達成するために何をすれば良いのかが明確になります。
KPIとよく似た言葉に「KGI」がありますが、これは「Key Goal Indicator」の略で達成したい目標そのものを指します。
例えば「毎月の売り上げを1000万円にする」というものがKGIに対して、そのために「カート離脱率を〇%まで抑える」という指標がKPIです。
KPIを一つずつクリアしていくことで、着実にKGIの達成に近づくことができるのです。
KPIのメリット
KPIのメリットとして現状を具体的な数値で「見える化」できることが挙げられます。
やみくもに「もっと売り上げを伸ばす」等の目標では、どこをどう改善すれば良いのか具体的な行動として見えてきません。
そこで、KPIの数値を設定して観測することで、現在どの程度目標に近づいているのか、足りていないのかなど具体的な数値として知ることができます。曖昧な言葉では無いため、運営スタッフにとっても現状を把握し問題点を共有し易くなるのです。
ECサイト分析で見るべき5つのKPI
データを分析すると一言でいっても、アクセス解析ではサイトの訪問者数だけではなく、さまざまな種類のデータを見ることができます。その膨大なデータをすべて分析して活かすのは、至難の業です。
そこで、どのECサイトでも共通のKGIでもある「売り上げアップ」のために、見るべき5つのKPIについて紹介していきます。
- 訪問数
- 平均注文額(AOV)
- コンバージョン率(CVR)
- カート離脱率
- 顧客生涯価値(LTV)
ECサイト分析で見るべきKPI①|訪問数
訪問数は店舗における入店来客数とも考えることができ、最も分かりやすいECサイトにおけるKPIと言えます。
どんなに素晴らしい商品を扱うサイトでも、訪問数が少なければ商品が売れる数も少なくなってしまいます。訪問数と売上はほぼ比例関係にあるからです。
訪問数は、流入経路ごとに分析することも重要です。ECサイトには広告経由、検索経由、SNS経由など、さまざまな流入経路が考えられます。流入経路ごとの訪問数を知ることで、どの媒体に広告費を掛けるべきか、どのようなマーケティング施策を行えば良いか検討することができます。
ECサイト分析で見るべきKPI②|平均注文額(AOV)
平均注文額(AOV)は、顧客一人当たりが一度の注文で支払う金額の平均額、すなわち平均顧客単価のことです。
サイトやページへの訪問数が変わらなくても、平均注文額が多いほど売り上げアップに繋がります。
平均注文額は以下の計算式で求めることができます。
売り上げ総額 ÷ 購入者数
平均注文額が低い、または当初よりも下がっている場合、顧客単価をあげるためにセット売りや、特定の流入経路に合わせたプロモーションなど、複数の施策を行う必要があります。
ECサイト分析で見るべきKPI③|コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(CVR)とは、サイトやページを訪問した顧客が最終的な成果(コンバージョン)に至ることができたのかを割合で示したものです。ECサイトの場合、コンバージョンは「商品の購入やサービスの申し込み」と考えることができます。
コンバージョン率は以下の計算式で表すことができます。
コンバージョン数(購入者数) ÷ ページの訪問者数×100(%)
ページを訪問した人が10,000人居たけれど商品を購入した人が100人だった場合、コンバージョン率は1%になります。
ページを訪問している人が多いのに購入に至らない、すなわちコンバージョン率が低い場合は、商品を購入したくなるコンテンツや施策をページ上に掲載することが必要になります。
ECサイト分析で見るべきKPI④|カート離脱率
顧客が商品をカートに入れたまま購入せずにサイトを離脱することを、「カゴ落ち」もしくは「カート離脱」と呼びます。
この割合が「カート離脱率」です。
カート離脱はさまざまな理由で発生します。考えられる理由として以下のようなものが挙げられます。
- 送料が高く買う気にならなかった
- 決済までのプロセスが分かりづらかった
- 配送に時間が掛かりそうだった
カートに商品を入れた後の購入完了までのプロセスの中で、どのページで離脱してしまうのかによってカート離脱してしまう理由を見つけることができます。
カート離脱を少しでも減らすことで、最終的な商品の購入まで導くことができ、売り上げに繋げることができます。
ECサイト分析で見るべきKPI⑤|顧客生涯価値(LTV)
顧客生涯価値(LTV)とは、一人の顧客が企業に生涯のうちに使う金額のことです。
顧客生涯価値を重要視する販売施策は、一度の購入金額が高いことから二度と商品を買ってもらえないような売り方ではなく、長く企業やサービスと付き合ってもらえる顧客を育成することに繋がります。
顧客生涯価値は以下の計算式で求めることができます。
平均注文額×購入期間×購入頻度
顧客生涯価値は、一人の顧客を獲得するために必要な金額である顧客獲得単価(CPA)と比較して、広告費を予算立てる際にも役立てることができます。
顧客獲得単価は、顧客生涯価値を上回らないような設定が必要になります。
KPIを知るためには「アクセス解析」を利用する
KPIを設定するためのデータの入手方法が、アクセス解析です。
アクセス解析とは、ECサイト上を訪問したユーザーの数や、ユーザーのページ遷移などのデータを記録するツールのことです。
どのページを閲覧しているか、どの経路でページへ流入しているかや、時系列による訪問数の増減などを把握することができるため、現状のKPIの観測に役立てることができます。
DMMチャットブーストではECサイトの集客に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。
アクセス解析(分析)を利用する方法
アクセス解析は、さまざまな方法で利用することができます。
自分で用意したサーバーに専用のアクセス解析プログラムを設置することも可能ですが、導入コスト、運用コストともに高く付いてしまうだけではなく、専門の知識も必要になります。
ここでは、プログラミングなどの専門の知識が無くても手軽にアクセス解析を利用出る主な方法を3つ紹介します。
アクセス解析(分析)を利用する方法1|外部サービスを利用する
アクセス解析を専門に提供している外部サービスを利用することで、誰でも手軽にアクセス解析を利用することができます。
外部サービスのアクセス解析で一番多い形式が、Webビーコン型です。この形式の場合、外部サービスに申込を行うと専用のJavaScriptのタグが発行されます。
外部サービスのアクセス解析は、このJavaScriptのタグをECサイトの各ページに記載することで、ページがユーザー側に呼び出されるたびにアクセスを記録していく仕組みです。
サービスによってアクセス解析で入手できる情報にも違いがあります。スマートフォンなどのモバイル端末に特化していたり、ページの中でどこがクリックされたかを可視化できるヒートマップを採用していたり、サービスごとに個性があります。
また、無料のものから高額な運用費用が必要なサービスまでコストもさまざまです。高機能だけが良いわけではなく、自分のECサイトに必要な情報を閲覧できるアクセス解析サービスを利用するようにしましょう。
アクセス解析(分析)を利用する方法2|MAツールを利用する
「MA」とはマーケティングオートメーションの略。
企業が新規顧客の獲得や見込み顧客の育成のためにマーケティング活動を行う上で必要になる機能をまとめて提供するツール、もしくはソフトウェアのことをMAツールと呼びます。
MAツールは、見込み顧客や既存の顧客の一元管理や、顧客とのコミュニケーションを行うためのメール配信の機能などが提供されています。このMAの機能の中に、サイトのアクセス解析が提供されている場合があります。
ただし、アクセス解析だけを目的としてMAツールを利用するのはおすすめできません。MAツールはさまざまな機能を提供しているため、それぞれの機能単独のツールに比べて費用が高くなってしまいます。
既に社内でMAツールを利用している場合はそのツールのアクセス解析を利用すると良いでしょう。
アクセス解析(分析)を利用する方法3|ECサイトのプラットフォームにある機能を利用する
もしECサイトを自分で用意したサーバーで構築せずに、ECサイトプラットフォームを利用して運営しているのであれば、プラットフォームで用意されている機能の中にアクセス解析がある場合があります。
そのような場合、すぐにアクセス解析を利用することが可能です。
もし機能として用意されていなくても、外部のサービスとすぐに連携できるように設計されている場合もあります。
ECプラットフォームを利用している場合は、まず利用できる機能や連携しているサービスが無いか確認をしてみましょう。
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ECサイトのアクセス解析(分析)ができるサービス
アクセス解析を利用できるサービスとして、代表的なものを紹介していきます。
ECサイトの分析ができる外部サービス
手軽に利用ができる外部サービスのアクセス解析は、無料のものから有料のものまでさまざまなサービスがあります。
GoogleAnalytics
引用:marketingplatform.google.com
アクセス解析と言えばGoogleAnalyticsと言っても過言ではないぐらい、世界中で利用されているアクセス解析サービスです。
Google社が提供しており、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用することができます。
「ユーザー」「集客」「行動」と3つの視点からアクセス結果を分析することができます。特に「行動」はページ訪問から離脱までの動きを、視覚的に閲覧できるため離脱率の把握に便利な機能です。
無料のプランでも充分に利用が可能ですが、アクセス数が大規模なサイトの場合は有料プランを利用すると細かなサポートや、分析結果を閲覧することができます。
UserInsight
UserInsightは、ユーザーがページのどこをクリックしたかなどをヒートマップで見ることのできる国産のアクセス解析サービスです。
利用は有料になりますが、スクロールやページ内遷移など、GoogleAnalyticsでは見られない細かな情報を分析することができます。
モバイル端末のユーザーの動きを解析することも得意で、専門の知識が無くても必要な情報をすぐに見つけることができます。
AdobeAnalytics
AdobeAnalyticsは、Adobe社が提供する高機能なアクセス解析サービスです。
セグメントを詳細に設定して分析したり、AIによる分析内容の学習機能があったりと、より詳細な分析が可能なツールになっています。
自サイトに応じたカスタマイズも可能になっており、分析項目や表示されるレポートを詳細に変更することができます。
ただし、料金はサービスを呼び出す回数に応じた従量課金制になっておりコストが高いため大規模サイト向けと言えます。
MAツール
MAツールはほとんどが有料で提供されていますが、そのぶん機能も豊富に用意されています。アクセス解析が利用できるMAツールを3つ紹介します。
LTV-Lab Plus
引用:wakuten.net
LTV-Lab Plusは、ECサイトにおける顧客分析に特化したMAツールです。アクセス解析と合わせて、顧客の購買履歴やリピート率など、KPIとして必要な情報を細かく分析閲覧することができます。
ECサイトとの連携や、ステップメールの配信機能なども用意されており、アクセス解析だけではなくまとめてECサイトに関する顧客管理を行いたい場合は利用が向いていると言えます。
List Finder
ListFinderはMAツールの中でもBtoBに特化したツールです。そのため、アクセス解析も訪れるユーザーが企業の担当者と想定されています。
そのため、通常のアクセス解析では分析できない訪問者の業種や企業名を分析することができます。
メール配信等のマーケティングツールも揃っているため、アクセス解析と併用して見込み顧客へ確実にアプローチすることが可能です。
カスタマーリングス
カスタマーリングスは、顧客の購入履歴などの定量データや、アンケート回答などの定性データなどすべての顧客データを統合して分析活用することができる、BtoC向けMAツールです。
単純にアクセス解析を行うだけではなく、アクセス解析を含む様々なデータから多角的な分析を行うことができます。
アクセス解析があるECプラットフォーム
機能としてアクセス解析が用意されているECプラットフォームも数多く存在していますが、国内で代表的なサービスを3つ紹介します。
Shopify
引用:shopify.jp
Shopifyは、カナダ生まれのクラウド型・定額制のECプラットフォームです。
2017年に日本でサービスが開始されて以来、拡張性の高さや豊富なデザインテンプレート、カスタマイズの自由度によって国内でも利用している企業が急増しています。
ShopifyはECサイトを運営するために必要なあらゆる機能が揃っていますが、その中にデータ分析が用意されています。
プランによって分析できる内容が異なりますが、平均注文額やコンバージョン率などの分析はどのプランでも利用が可能です。
STORES
引用:stores.jp
STORESは、国産のECプラットフォームです。初心者でも直感的な操作だけで本格的なECサイトを構築・運用することができます。
在庫の保管・代送を行う倉庫サービスを行っており、気軽に誰でもECサイトの運営を行うことができます。
STORESでは無料でECサイトを開設することができますが、アクセス解析を利用できるのは有料のスタンダードプランのみになっています。解析できる内容は、訪問率や滞在時間と言った簡易的なものになっています。
BASE
引用:thebase.in
BASEも、STORESと同様国産のECプラットフォームです。BASEはECサイト開設・運用を無料で行うことができます。
費用が発生するのは商品が売れた際の手数料やサービス利用料、決済手数料だけです。簡単な操作で開設ができること、および無料で開設・運用ができるハードルの低さもあって2020年10月の時点で120万のショップが開設されています。
BASEで利用できるアクセス解析は、平均注文単価や注文数、商品ごとの閲覧数など13種類のデータを分析することができます。
アクセス解析を上手に活用してECサイトのデータ分析を行おう
アクセス解析のデータを分析することで、ECサイトの問題を見つけ出し改善に繋げることができます。
ECサイトの売上アップのためにも、アクセス解析を上手に活用してデータ分析を行っていきましょう。
ECサイトのマーケティングツールとしてLINE公式アカウントを利用しているのであれば、DMMチャットブーストがおすすめです。
ShopifyとLINE公式アカウントを連携させて顧客管理を行うことや、GoogleAnalyticsとの連携によりLINEからの注文数データを分析することも可能になります。一度資料をダウンロードして、マーケティングツールとしてのメリットの高さをご確認ください。
DMMチャットブーストではEC事業に関する記事もございますので、ぜひご覧ください。